それでは、どのように対策すればよいでしょうか?
湯シャン
最も手軽で、かつ可能性を秘めているのは「湯シャン」です。
万人には当てはまりませんが、これで劇的に改善する人は一定数います。私も驚くほど抜け毛が減りました。
湯シャンとは、お湯シャンプーの略であり、38~40℃の湯で丁寧に洗い流すことを言います。
シャンプーや石けんを一切使わない代わりに、今までの倍以上は長く、お湯を頭に流し続けます。
シャワーヘッドを頭上に固定して、滝行のようにずっとお湯を浴びます。

頭皮のマッサージを兼ねて、軽く揉みほぐすとよいでしょう。
強く揉んだり、爪を立てたりするのは逆効果ですから避けてください。
これだけで軽い汚れは十分落ちますし、余計な皮脂も適量だけ落ちます。
一方で、皮膚バリアや常在菌バリアが壊されることはありません。
必要なものは残り、不要なものは落ちていきます。
時々誤解している人がいますが、水で洗い流すのは、湯シャンになりませんから注意してください。
水だと余計な皮脂が落ちにくくなります。
なお、湯シャンの副産物として、シャンプー代を節約できること、お風呂掃除がラクになることが挙げられます。
あっさり書いていますが、これはかなり重要なことです。

髪がベトつく場合の対処法
シャンプーに慣れ切っている人は、湯シャンだけで大丈夫なのかと不安になるかもしれません。
しかし、実際にやってみると分かりますが、湯シャンだけでも、頭皮の痒みは拍子抜けするほどなく、フケが増えることもありません。
それよりも困るのは、髪がベトつくことです。ミドルまたはロングヘアの人は、これが障害になることがあります。
なぜ髪がベトつくのでしょうか?
それは毎日シャンプーの習慣によって、連日のように皮脂膜をごっそり落とし続けたせいで、体がそれに適応してしまったからです。
皮脂膜が頻繁に失われるので、体は急ピッチで再生産する癖が付いています。
ですから、急に湯シャンに切り替えると、皮脂膜は失われなくなる一方、生産量はホメオスタシス(恒常性維持機能)によって維持されるので、一時的に皮脂過剰になってしまうのです。
ホメオスタシスは、個人差はありますが、一般に2週間~3カ月で変わります。
湯シャンを一定期間続けて、それが新しい「通常」になれば、今度はその「通常」を維持しようとしますから、この期間さえ乗り切れば、髪がベトつく問題はなくなります。
そして、その状態こそ、本来あるべき健康的な「通常」です。
では、どのようにして、その期間を乗り切ればよいでしょうか?
毛髪だけをシャンプーする
一つは、「毛髪だけ」をシャンプーすることです。
なるべく頭皮に泡が付かないように注意して、毛髪のベトつきだけを落とすように優しく洗います。
こうすれば、皮脂膜や常在菌、経皮毒の被害が最小限になり、シャンプーのデメリットを緩和することができます。

シャンプーの回数を減らす
もう一つは、いきなり湯シャンに切り替えるのではなく、毎日シャンプーの習慣を、数日に一度に減らすことです。
一見、こちらの方が無難に思えますが、個人差があるという前提で、私は最初の「毛髪だけシャンプー」をお勧めします。
なぜなら、髪のベトつきは、1日でもシャンプーしないと、結構なストレスに感じるからです。
それだけ毎日シャンプーに慣れ切っているということですが、たとえば「1日おきの湯シャン」より、「毎日の毛髪だけシャンプー」の方が、私の経験上は現実的でした。
私の場合は、これを2~3週間続けたら、皮脂の分泌量が適量になって、ベトつき問題が解消しました。
湯シャンが向かない人
湯シャンは、万人に向く解決策ではありません。これが適していない人も一定数います。
まず、整髪料を多用する人は、湯シャンに向いていません。
ワックス、オイル、スプレーなどは、お湯だけでは落ちにくいからです。
これらが残留することによる慢性刺激や、不快感によるストレスの方が、湯シャンのメリットを超えてしまいます。

次に、皮脂の分泌量が元々多い人は、湯シャンに向いていません。
特に脂漏性皮膚炎の場合は、症状が悪化しやすくなりますので、避けた方がよいでしょう。
肌が脂っぽくなる理由は様々で、遺伝や体質による場合もありますが、シンプルに油ものを食べ過ぎていることが少なくありません。
揚げ物が好きな場合はもちろん、現代は食品産業は至るところで油(と糖)が使われていますから、注意しないとすぐ脂質過剰になります。
その他の注意点
湯シャンには、メリットばかりではなく、次のようなデメリットもあります。これはシャンプーの裏返しとも言えます。
まず、泡立てたシャンプーで洗った時のような「さっぱり感」や「洗った感」が減ります。
実害はないのですが、こうした感覚は、人によっては快感や幸福感になったりしますので、これを大事に思っている場合は、湯シャンが物足りなく感じるでしょう。
次に、良くも悪くも香料が消えますので、嫌な臭いはしませんが、良い香りもしなくなります。
これも実害はありませんが、人によっては寂しく感じるかもしれません。

さらに、サラサラ感がなくなります。
ベトつき問題が解消した後も、毎日シャンプーをしていた頃のようなサラサラ感は消えてしまいます。
かと言って、ごわごわ感もありません。良くも悪くも普通の状態、素の状態に戻ります。
これもまた、主観的なことと言えばそれまでですが、私が個人的に最も残念だったのはこれでした。
「サラサラの髪がふわっとなびいて、よい香りがする」というのは、それにキュンとする(キュンとさせたい)男女には大事なことかもしれません。
シャボン玉石けんシャンプー
湯シャンが適していれば、それが最良なのですが、適していない場合でも、とれる対策はあります。
それは一般の合成シャンプーを、「シャボン玉石けんシャンプー」に変えることです。
「シャボン玉石けん」は、シャボン玉石けん株式会社が製造・販売する無添加の石けんです。
自ら法律以上に厳しい基準を課している、本物の無添加石けんです。
巷には「無添加」をアピールする商品があふれていますが、実はまやかしの「無添加」である場合が少なくありません。
法律が指定する特定成分だけをなくして、それ以外の成分でごまかしていることがあり、実際は化学物質だらけという商品は、残念ながら多くあります。

それに対して、シャボン玉石けんは、香料・着色料・酸化防止剤・合成界面活性剤を一切含まない、厳しい無添加を貫いています。
会社が倒産の危機に瀕した時も、その方針を曲げなかったと言いますから、経営理念のこだわりは尋常ではありません。
皮膚科医、小児科医などを中心に、シャボン玉石けんを推奨する医師も多くいます。
シャボン玉石けん株式会社は、固形・液体の石けんだけでなく、石けんシャンプーや、石けん歯磨き粉(!)なども販売しています。
この、歯磨きにすら使える安全性が、根強く支持されているのでしょう。
コロナ禍の時期は、同社の「バブルガード」という、泡立つ手洗い石けんが注目を浴び、多数の医療機関で使用されました。
前置きが長くなりましたが、普段家庭で使用しているシャンプーを、シャボン玉石けんシャンプーに変えれば、ある程度デメリットを緩和することができます。
まず、余計な成分が入っていませんので、化学物質による刺激によって、頭皮トラブルや炎症を起こすリスクが著しく減ります。
次に、皮脂膜や常在菌のバリアは、一般の合成シャンプーに比べれば、破壊される程度が軽くなります。
とは言え、洗い過ぎはよくありませんから、あまり頻回に、多量に頭皮に付けることは避けた方がよいでしょう。
一方、石けんならではの注意点もあります。
頭皮を含む皮膚は本来、pH4.5~5.5の弱酸性環境ですが、石けんはアルカリ性であり、純石けんはpH9~10になります。
このため、脱脂や殺菌の威力は和らぎますが、弱酸性環境を乱すことで、常在菌が不安定になる(病原菌が優位になる)可能性がありますから、使い過ぎは避けなければなりません。
前述の「毛髪だけシャンプー」と組み合わせて、シャボン玉石けんシャンプーで毛髪だけを洗うようにすれば、頭皮トラブルはかなりの程度、減らせるのではないかと思います。
最後に水シャワー
番外のおまけとして、「最後に水シャワー」をご紹介しておきます。
私ははっきり自覚できるほど、目立って抜け毛が減った経験が2回あります。
これは気のせいではなく、自分で頻繁に床掃除や、排水溝の掃除をしますから、文字通り目に見えて分かりました。
1回目は、合成シャンプーをやめて、湯シャンに切り替えた時です。
そして2回目は、風呂上がりの前に、頭皮に水シャワーをかける習慣を付けた時です。
繰り返しになりますが、水シャワーで洗うのは、湯シャンにはなりません。

ここでいう「最後に水シャワー」は、適温のお湯でしっかり湯シャンした後、お風呂を上がる直前に、頭皮に水シャワーを浴びせることです。
温刺激と冷刺激が入ることで、頭皮の血流がよくなる上、最後の冷刺激で毛穴が引き締まるので、抜け毛を減らす効果があると言われています。
注意点は、頭皮だけに水シャワーをかけて、胴体にかけないようにすることです。
個人差はありますが、心臓の近くに水をかけると、ドキリとして不快に感じる人がいます。
頭を下げて、慎重にシャワーヘッドを動かし、頭皮だけに水をかけるようにしてください。
私は真冬でもこれを続けています。キンと冷えて軽く痛むことさえありますが、慣れてくると気持ちよくてやめられません。
おそらく温度差の影響でしょうが、冬の方が快感を感じます。頭皮に血が駆け巡るような、心地よいピリピリ感があります。
ただし冬は、頭皮に水シャワーを浴びた後、もう一度軽く湯舟に入って、体を温め直してから、お風呂を出ることをお勧めします。
補足
抜け毛が増える原因は、次のとおり多岐にわたります。
・DHT(ジヒドロテストステロン)の増加による男性型脱毛症(AGA)
・タンパク質や亜鉛などの栄養不足
・極端な糖質制限
・運動不足、冷え、喫煙などによる血流の悪化
・睡眠不足
・強いストレス
・慢性刺激による頭皮の炎症
したがって、真剣に取り組む場合は、生活習慣を思い切って改める必要がありますが、まだ症状が重度でなければ、本項でご紹介した方法によって、比較的手軽に改善できる可能性があります。
抜け毛に不安を感じ始めた方は、ぜひ参考にしてみてください。
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