「朝、起きれない」の治し方 (1)

「朝、起きれない」の治し方

はじめに

 朝、目覚ましが鳴っても、体が思うように動かない。スヌーズを止めた記憶もあやふやで、気づけばまた眠っている。

 ようやく起き上がっても、午前中は頭に霧がかかったようで、仕事や勉強に集中できない。

 もしあなたが今、こうした状態に心当たりがあるなら、この本はあなたのお役に立てるかもしれません。

 私は長らく、あなたと同じ悩みを抱えていました。朝は常に苦手で、大学生の頃は、午後1時に始まる3限の授業に寝坊したこともあります。

 目覚まし時計を2~3個セットし、スヌーズを繰り返して、ギリギリまでベッドにしがみつく。

 起きた直後は体が重く、頭もぼーっとして、午前中は効率が上がらない。

 自分は意志が弱いのではないか、怠け者なのではないかと、自己嫌悪したこともあります。

 しかし、ある時に気づいたのです。これは性格や根性の問題ではないと。

 朝起きられないのには、はっきりとした理由があり、対処の仕方も存在する。

 そう理解してから、私は少しずつ生活を見直し、試行錯誤を重ねてきました。

 睡眠時間を増やしても解決しなかった問題が、別の工夫で驚くほど改善しました。

 逆に、世間でよいと言われている方法が、自分には合わないこともありました。

 本書では、私自身の試行錯誤を踏まえて、朝すっきり起きるための具体的な方法を、できるだけ分かりやすくお伝えします。

 特別な才能や強い意志は必要ありません。生活を大きく変える必要もありません。現実的にできるものばかりです。

 すべて経験に基づいており、何十年とかけて実践してきた知恵です。情報を寄せ集めて、体裁だけ整えた薄っぺらいものとは違います。

 無駄を省いているので、本としては薄いですが、効果は十分あると思います。他の睡眠本では得られない情報もあるでしょう。

 今のあなたは、毎朝の辛さが当たり前になってしまっているかもしれません。

 しかし、その状態は固定されたものではなく、正しい知識と順序で取り組めば、朝の感覚は確実に変わります。

 朝が変わると、一日の質が変わります。一日の質が変わると、人生の手応えも変わります。

 その最初の一歩を、ここから踏み出しましょう。

カーテンを開けて眠り、朝に太陽の光を浴びる

 人間の体は本来、太陽と同じリズムで動くようにできています。昼に活動して、夜に休む。この流れを作っている中心が体内時計です。

 1日は24時間のサイクルですが、人間の体は24時間30分のサイクルで動いています。

 このズレは日々、外からの合図によって調整されます。その最も強力な合図が「太陽の光」です。

 特に重要なのが、太陽の光に含まれる青い波長の光。

 この光が目に入ると、脳は「朝が来た」と判断して、体を覚醒モードへ切り替える準備を始めます。
 難しく聞こえるかもしれませんが、仕組みは単純です。

 朝陽が窓から差し込む。
 → 目に光が入る。
 → 体内時計が朝だと認識する。
 → 休息モードが解除されて、覚醒モードに入る。
 → 自然と目が覚めやすくなる。

 窓越しの光でも十分に効果があります。直射日光でなくても、まぶたを閉じた状態でも、朝の時間帯に、外の明るさを感じるだけで、体は目覚めの準備を始めます。

 そこで有効なのが、カーテンを開けて眠ること。

 カーテンを閉め切った暗闇の中では、体は朝を認識できません。目覚まし時計の音だけで、無理やり起こされる状態になります。

 一方、カーテンを開けて朝陽が差し込む環境で眠ると、目覚ましが鳴る前から、体は少しずつ覚醒に向かいます。

 一度試してみると、暗闇の中で起きようとするより、遥かにラクであることに気づくでしょう。

起きたらすぐ天井照明を点ける

 天候や部屋の向きによっては、朝陽が十分に入らない日もあります。特に曇りや雨の日、冬の早朝などは、光が弱く感じられるでしょう。

 そうした時に助けになるのが、部屋の天井照明の光です。

 天井照明のリモコンを枕元に置き、目が覚めたらすぐに電気を点ける習慣を持ってください。

 太陽の光に比べれば遥かに弱いですが、真っ暗な状態よりは全然起きやすくなります。

 起きる時に限って、意識的に天井照明を見るのも一つの方法です。

 普段は勧められませんが、目に光を入れると覚醒しやすいという体の性質を、起床時に限って利用するのもよいでしょう。

ひかり目覚まし

 さらに、人体のこの仕組みを利用した「ひかり目覚まし」という商品もあります。

 これは、指定した時刻になるとライトが点灯し、朝の光に近い刺激を与えてくれる目覚まし時計。

 音のアラームを併用するか、それとも光だけにするは、自分で選ぶことができます。

 家族の事情や住環境の都合で、寝室に太陽の光を入れにくい場合には、有力な選択肢になるでしょう。

 朝に起きられない問題は、あなたの問題ではありません。

 体が受け取る情報が足りていないだけです。光を味方につけるだけで、起きやすさは驚くほど変わります。

 注意したいのが、季節によって日の出の時間が変わること。

 太陽の光を手がかりにして起きる習慣がつくと、夏は相対的に早く、冬は相対的に遅く目覚めることになります。

 夏は日の出が早くなり、冬は日の出が遅くなるからです。

 冬の方が起きにくいと感じている人は、多いのではないでしょうか。

 それは寒いということもありますが、朝陽が差し込む時間が遅れるのが原因です。

 ここでカーテンを閉じていると、なお覚醒し辛くなります。

 太陽のリズムに合わせて寝起きすることは、本来は悪いことではなく、むしろ自然で健康的と言えます。

 しかし、出社時間などの縛りで、一定の時刻に起きる必要がある方も多いでしょう。

 そういう場合は、冬に限って前述の「ひかり目覚まし」を活用してみるのも一つの方法です。

 これなら季節を問わず、決まった時刻に光を出してくれます。

起きてすぐ目薬を差す

 次に紹介したいのが、「目が覚めたら、すぐ目薬を差す」ことです。

 やり方はとても簡単。眠る前に目薬を枕元に置いておき、朝に目が覚めたら、何も考えずに目薬を差す。それだけです。

 睡眠中、目は想像以上に乾燥しています。そのため、朝の一滴の目薬は、非常に心地よく感じられます。

 この気持ちよさが、単なる潤い補給にとどまらず、目に適度な刺激を与えて、覚醒のスイッチとして働きます。

 朝、太陽の光を浴びた体は、すでに覚醒モードに切り替わり、起きる準備を始めています。

 その状態で目薬を差すと、次のような流れが自然に起こります。

 太陽の光を浴びた体が、起きる準備を整える。
 →目に刺激が入る。
 →頭がはっきりしてくる。

 この「体→目→頭」という順番が大切です。

 頭から無理に覚まそうとすると、強い抵抗を感じますが、体が準備を整えたところで、目に優しく刺激を入れると、驚くほどスムーズに起きられます。

 この方法を経験すると、目薬がないと不安に感じるほど、朝がラクになります。

 何より、乾いた目に水分が行き渡る感覚が心地よく、「起きること=辛いこと」という印象が薄れていきます。

 男性の場合、このタイミングで朝立ちが起きます。

 これは浅い眠り(レム睡眠)から目覚めたサイン。体は既に起きる準備を終えています。

 ここで目を閉じて、二度寝をしてしまうと、再び深い睡眠(ノンレム睡眠)に入っていきます。

 そうなると、次に起きるのは難しくなるでしょう。朝立ちがあったら、それは起きるべき時だと考えてください。

 目薬の種類は、基本的に何でも構いませんが、できれば無添加の「ソフトサンティア」をお勧めします。

 たった一滴でも、毎日の積み重ねは侮れません。添加物がないものを選ぶ方が、長期的には安心です。

 ただし、ソフトサンティアは防腐剤を使っていないため、使用期限があります。

 期限が過ぎたものは、もったいないですが、残っていても捨ててください。

 通常の「ソフトサンティア」は開封後約10日、「ソフトサンティア ひとみストレッチ」は約1カ月が目安とされています。

 私はひとみストレッチを使っており、毎月1日に新しいものに替えています。

 夏は特に傷みやすいので、私は夏に限って冷蔵庫で保管しています。

 眠る前に取り出してベッドの横に置き、朝に使用したら、また冷蔵庫に戻しています。

 なかなか起きれない朝は、目に一滴の助けを与えてみてください。小さな工夫ですが、朝の感覚を確実に変えてくれます。

ACTION
枕元に、天井照明のリモコンと、目薬を置いておく。
カーテンを開けて眠り、朝陽が差し込むようにする。
目が覚めたら、すぐ天井照明を点けて、目に光を入れる。
目が覚めたら、すぐ目薬を差す。

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