万紫千紅考察 アウロラの本当の父親 (1)

アウロラの本当の父親1 ブログ

出生の秘密

 万紫千紅の考察をする中で、私が最も驚いたのは、アウロラの出生に関する問題でした。今回はこれについて、触れてみたいと思います。

 女神アウロラと言えば、神威法王ソレルとその妻ユ・ファスの娘。

 ソレルは太陽の神、ユ・ファスは死と夜の神、そしてアウロラは星と航海の神です。太陽と夜が合わさると星ということで、私は何の疑いも持っていませんでした。

アウロラ
・わたくし…もしかしたら、本当は父さまの本当の子供じゃないかもしれないの。
 色々な事の本当の答えを知ることが恐ろしくて、わたくしは…

 確かに、アウロラは自分がソレルの子ではないのかもしれないと、ポロリと零すことがありました。

 しかし私は、これは親子の不和が続いたことによる疑心暗鬼かと思い、「本当に父親が違うのではないか…?」とは、少なくとも第1部の時点では疑いませんでした。

 その認識は、第3部で変わることになります。フォトナの次の発言を見た時です。

フォトナ
・これでもダグザ親族としての立場では、吾は一応、あの娘(※アウロラ)の姉も同然じゃからな。
 ほとんど交流はなかったが…もともと気にはしておったのじゃ。

 あれも…それなりに複雑な事情をもって生まれた娘じゃったからな。

 あのフォトナが「それなりに複雑な事情」があったと言及しているのです。これは半ば神祖ソティスが言っているようなものでしょう。

 この時に初めて、私はアウロラの出生を強く疑いました。

 そして、考察を経てたどり着いた結論は、私自身も俄かには信じ難いものでしたが、どう考えてもそうとしか思えないのです。

 仮にこれが真実だとすれば、シリーズで最も刺激的な裏設定の一つになるかもしれません。

それなりに複雑な事情

 改めて見返すと、アウロラは重ね重ね、自分の出生を疑う言動をしています。

 このすべてを、最初は軽く流してしまったのですから、我ながら鈍感でした。自分でも不思議なほど、なぜか深く考えなかったのです。

アウロラ
・失踪事件のせいで謹慎を命じられたのも、その時はそれでよかったと思っていたの。
 そうやって過ごしている内に、わたくしは自分にまつわることを色々考えてしまって。
 わたくしが本当は誰の子なのかとか、父さまがずっと、何を考えていたのかとか。

アウロラ
・父さまは、わたくしは本当の子供ではないと、そうお考えなのではないですか?

アウロラ
・自分の血が誰のものだとしても、わたくしは父さまの娘です!

 ソレルはソレルで、こちらも意味深な発言をしています。

ソレル
・アウロラか…私があの娘ときちんと話をする為には、まだ時間が必要なのだと思う。
 私は自らの問題から、彼女と距離を置かざるを得ない状況に陥っている。

 …だが、これは私の家庭の事情でもある。
 他人である君(※カイ)に土足で踏み込んで欲しくはないよ。

 初見の時、私はこの「家庭の事情」を、夫婦間の問題と捉えました。

 しかし、真実はより残酷だったようです。夫婦を超えたダグザ神族の問題であるとは、この時点で気づきませんでした。

イリアナ
・…あなたはずいぶんとあの娘(※アウロラ)を愛していらっしゃるようですわ。

ソレル
・…そうだね。ただ…少なくとも私はまだ…あの噂の真偽については、自分がどう振る舞うべきなのか割り切れないままだ。

 「あの噂」というのは、アウロラの出生に関する噂です。

 アウロラの本当の父親は、民衆レベルで囁かれていた、半ば公然の秘密だったようです。

 これを懸念したソレルは、アウロラ神殿で起きた誘拐事件を口実にして、アウロラに謹慎を命じました。

 人々の好奇の目を逸らすために、娘を表舞台から隠したのでした。後で紹介しますが、これはソレル本人が述懐していることです。

僕の大切な人

 それでは、アウロラの本当の父親は、一体誰なのでしょうか?

 まず、意外なところから入っていきます。ソレルの弟、鍛冶の神クレールの次の発言をご覧ください。

クレール
・本当は…父(※ダグザ大帝)のことは、僕たち兄弟が対処しなければならない問題だったんだ。
 ソレル兄さん一人に背負わせてしまっていたのも、原因だったのかもしれない。

 今にして思えば、父は、ずっと以前から間違ってしまっていたのかもしれない。
 僕の大切な人も命を奪われてしまった。それは、ずっと昔のことだったけど…

 最後に注目してください。「僕の大切な人も命を奪われてしまった」とあります。

 命を奪われた神と言えば、真っ先に思い浮かぶのはユ・ファスでしょう。彼女はダグザの大釜で処刑されました。

 そのユ・ファスが、「僕の大切な人」だとクレールは言うのです。

 続いて、次の発言を見てください。こちらは、より直接的です。

クレール
・今でも怖いですよ、父さん。こうしていても足が震えるほどに。

 だけど、僕はずっと後悔していました。あの日、ユ・ファスが処刑された時に。
 だから今日、僕は彼らと共に、あなたを止めるためにここまで来ました。

 クレールは、ダグザ大帝がフラーマで乱心した時、ユ・ファスの処刑を止めることができませんでした。

 「僕の大切な人」を失ったことを、彼は長らく後悔していたようです。

 そんなクレールは、目覚めたダグザ大帝の再びの乱心に、今度は勇気を振り絞って立会いました。

 目を合わせるだけで怖い、足が震えてしまう相手に、「あなたを止めるためにここまで来ました」と言い放ったのです。

オルヘルは誰がために

 神官オルヘルは、鍛冶の神クレールが製造した、エリザベートなる何かを基にした機械です。

 皆様ご存知の通り、オルヘルの仮面を取った素顔は、ユ・ファスに瓜二つでした。そして、神官オルヘルが勤めるのはユ・ファス神殿です。

 クレールがユ・ファス神殿と関係が深いのは、彼がユ・ファスを愛していたからでした。

 初見の時、私が疑問に思ったことがあります。

 それは「なぜクレールは、ユ・ファスそっくりに造ったオルヘルを、夫のソレルや娘のアウロラに伏せていたのか」ということです。

 クレールは、ユ・ファスに瓜二つの存在を造りながら、仮面を被せて「絶対に外すな」と言い含め、家族にその存在を知らせませんでした。

 今であれば、その理由が分かります。クレールは、兄のためではなく、自分のために、失った想い人を彼なりに再現したのです。

 やたらとハイスペックにしてしまったのは、技術野郎ならではの職業病でしょうか。

瞳は語る

 アウロラの瞳は、美しいオレンジ色です。

 その息子カイの瞳は、バロール神殿を訪れてからは赤色になりましたが、最初は母と同じオレンジ色でした。

 ユ・ファスの瞳は、魅惑的な赤色です。

 ソレルの瞳は、澄んだ青色です。

 ユ・ファスの赤とソレルの青を混ぜた場合、何色になるでしょうか?

 答えは「紫色」です。

 それでは、赤と何色を混ぜれば、アウロラのオレンジ色になるでしょうか?

 答えは「黄色」です。

 クレールの瞳は何色でしょうか?

 黄色です。

 しかし、申し訳ありません。これは振りです。クレールはアウロラの父親ではありません。

 クレールは美しいユ・ファスに憧れて、密かに想いを寄せる、純粋な、そして気が弱い技術者でした。兄嫁を略奪するなど、彼にはできなかったのでしょう。

 そんな彼が、亡き想い人を忘れることができず、勇気を振り絞って恐ろしいダグザ大帝に相対したのです。足を震わせながら。

 そう思うと胸が熱くなりませんか?

犯人はお前だッ!

 だらだらと前振りをしたのは、クレールについて語りたかったからです。

 ここで仕切り直して、結論を言いましょう。

 アウロラの父親は、ダグザ大帝です。

 記事の冒頭、私は「仮に自分の考察が正しければ、シリーズで最も刺激的な裏設定の一つになるかもしれない」と述べました。

 それは父親が、実の子供の嫁に、子を産ませたことなるからです。

 学生もプレイするであろう作品に、こんな設定をするだろうかと、私自身も疑問を感じましたが、風化雪月や万紫千紅は世界中の多くの神話をモチーフにしています。

 世界の神々は、普通にドロドロの愛憎劇をしていますから、その要素が取り込まれることはあり得なくないでしょう。

 子供は成長した後に、真実を知って愕然とすればよいのですから。

 直前に瞳のネタを振ったので、まずはダグザ大帝の瞳の色を確認しておきましょう。言うまでもなく「黄色」です。

 ここから、私が略奪説を唱える根拠を示していきます。

 つづく。

 注
 この記事は個人の考察であり、任天堂及びインテリジェントシステムズ社の見解ではありません。
 内容の正確性を保証するものではなく、作品をより楽しむための娯楽的推測であることをご了承ください。

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