あくびは「眠くなった時に自然に出るもの」と思っている人は多いでしょう。
確かにその通りですが、実はあくびを意図的に出して、リラックス効果を高める方法があります。
生理現象でありながら、ある程度自在に扱うことができるのです。
現代は何かと刺激や緊張が多く、交感神経優位が続くストレス環境になりがち。
ぜひ、狙ってあくびを出して、日中に上手く緊張を解いたり、夜に入眠しやすくしてみてください。
私がこの方法を知ったのは、睡眠中の歯ぎしりや、顎関節症(がくかんせつしょう)に悩み、解決する手段はないかと探していた時です。
有り難いことに、その症状緩和にも役立ちましたが、あくびにはそれ以外のメリットも多くあったのです。
今では深呼吸と並ぶリラックス法として、欠かせない存在になりました。本項では、その詳細をご紹介したいと思います。
あくびの出し方
あくびを出す方法は簡単で、「大きく口を開けて、深く息を吸い込む」だけです。
空気玉を吸い込むかのように、掃除機になったつもりで吸ってください。多くの場合は、これを1回やるだけであくびが出ます。
1回であくびが出ない時は、吸ったり、吐いたりと繰り返すと、数回のうちにあくびが出るはずです。
また、次のことに注意すると、よりあくびを出しやすくなります。
・あごを上下左右に動かしたり、水平に回したりして、顎関節(がくかんせつ)を緩めておく。
・あくびを出している姿をイメージする。または「あくびを出すぞ」と念じる。
あくびのメリット
あくびには、次のように多くのメリットがあり、上手く活用すれば、体と心を手軽に整えることができます。
リラックスして心身が緩む
あくびをすると副交感神経が優位になり、心身が休息モードになると言われます。
プレゼンの前、試験の前、試合の前など、強く緊張しやすい時は、意図的にあくびを出すことで、心拍を落ち着かせたり、緊張を和らげたりすることができます。
「緊張した時は、手のひらに人と書いて飲み込め」とよく言いますが、これが効いたという人を、私は見たことがありません。あくびを利用する方が、よほど実用的だと思います。
また、イベントがなくても、仕事中は緊張状態が続きますから、意識してあくびを出す癖をつけると、上手く息継ぎができて、結果的には仕事の効率が上がります。
私もそうなのですが、デスクワークの人間は、肉体労働における疲労のように、分かりやすいストッパーになるものが弱いので、思う以上に緊張状態を続けてしまいがちです。
立ち上がって軽く動いたり、深呼吸やあくびを挟んだりすると、その負担を和らげることができます。
あごが緩む
リラックス効果の中で、とりわけ強調したいのが、あごが緩むことです。
前述の通り、私はそもそも睡眠中の歯ぎしりや、顎関節症を解決したくて、あくびを活用し始めました。
ベッドに入った時、あごを上下左右に動かしたり、水平に回したりしてほぐしつつ、何回かあくびを出せば、リラックスして入眠しやすくなる上に、あごの緊張が解けて歯ぎしりが緩和します。
個人的には、この効果を最も重視しており、就寝する前は必ずあくびを出すようにしています。
強制的に大きく深呼吸できる
あくびをすると、通常の深呼吸以上に大きく吸ったり、吐いたりすることになります。
それも強制的であり、浅い呼吸であくびをすることは逆にできません。
そう考えると、あくびというのは、度を超えたストレス状態を緩和するために、体が自衛として行う緊急休息なのかもしれません。
オーバーヒートに対する、アラームのような反応と捉えることもできます。
涙や唾液を出せる
あくびをすると、自然に涙や唾液が分泌されます。これも非常に大事な反応です。
人間はとかく乾燥に弱くできています。目が渇けばドライアイになりますし、口内が渇けば風邪を引きやすくなります。
目や口を適度に潤しておくことは、健康を維持する上で重要なことであり、あくびはそのためのスイッチとして機能します。
特にコンタクトレンズの装着時間が長く、目薬がないと不安だという人は、この涙を意図的に出すテクニックを覚えておいて損はありません。
また、目薬を差す回数を減らしたいけど、つい使ってしまうという人も、その一部を代用できるでしょう。
耳抜きができる
飛行機が離着陸する時や、高層ビルのエレベーターに乗った時など、標高が一気に変わる時は、耳の奥が詰まって痛くなります。
これは急激な標高変化に伴って、体の内外に気圧差が生まれるからです。
耳の詰まりによる痛みを消すためには「耳抜き」という、内外の気圧差を消す動作をしなければなりません。
これには幾つかやり方があり、唾を飲み込む方法が有名ですが、あくびを出すことによっても耳抜きすることができます。
旅行好きの人や、高層階にある会社にお勤めの人には、耳抜きは必須の知識と言えます。



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