しゃっくり=横隔膜のけいれん
しゃっくりは、横隔膜(おうかくまく)が急激に収縮して、その直後に声帯が閉じることで発生します。小難しい表現だと「吃逆(きつぎゃく)」と言います。
声帯が急に閉じる時に、「ヒック」という音がします。
横隔膜は、胸部と腹部を分けている大きな筋肉であり、息を吸ったり吐いたりする時に動くため、呼吸筋と呼ばれることもあります。
息を吸うと横隔膜が下がり、肺が拡がって空気が入ります。逆に、息を吐くと横隔膜が上がり、肺が縮んで空気が抜けます。
しゃっくりが出る時は、この横隔膜が急激に収縮してけいれんしています。本人の意思とは関係なく、なんらかの刺激によって偶発的に生じる反射の一種です。
なぜ横隔膜がけいれんするのでしょうか?
それは横隔膜を支配する神経(横隔神経や迷走神経など)が、たとえば次のような原因によって刺激されるからです。
しゃっくりの原因
・食べ過ぎる
多くの量を食べて、胃が急に膨らむと、横隔膜の周囲を刺激します。最もありがちな原因です。
・よく噛まずに食べる
多量でなくとも、よく噛まないで食べると、急に胃へ食物が入るため、横隔膜の周囲が刺激されやすくなります。
・急な温度変化
熱いものを飲食する、冷たいものを飲食する、またはその両方を交互に食べて温度差が生じると、胃を驚かせてしまい、反射を起こすことがあります。
・空気を飲み込む
早食いや緊張、会話しながら食事することなどで、空気を多く飲み込むと、胃が膨らんで横隔膜の周囲を刺激します。
・お酒を飲む
アルコールは胃を刺激したり、神経反射を乱したりするため、しゃっくりにつながることがあります。
また、お酒以外では、炭酸飲料が胃を刺激しやすいと言われます。
しゃっくりの止め方
しゃっくりは反射の一種ですから、別の刺激によって反射回路をリセットすると止まります。
別の刺激として何がよいかは、色々なアイデアがありますが、お勧めしやすいのは次の二つです。
深呼吸する
深呼吸して大きく息を吸ったり、吐いたりすることで、横隔膜が上下によく動きます。
しゃっくりは、横隔膜が急に収縮して、けいれんしている状態ですから、これを上に下にと大きく動かすことで、収縮状態を解除できます。
横隔膜を上下に動かすことを意識して、大きく息を吸い(横隔膜を下げる)、大きく息を吐いて(横隔膜を上げる)ください。
これを何度か繰り返すと、意図しないけいれんが止まるはずです。
リスクがまったくない上、深呼吸には心身がリラックスする本来の効果がありますので、最も無難な方法と言えます。
息を止める
息を止めると、血液中のCO₂(二酸化炭素)が増えます。
そうすると脳の呼吸中枢が、呼吸の正常化を優先するため、結果としてしゃっくりの反射が抑えられます。
横隔膜は、呼吸に深く関わる呼吸筋です。
その呼吸に関して、しゃっくり以上に重要な問題をあえて作り出し、そちらを優先させるわけです。
深呼吸とは方向性が異なりますが、こちらも合理的な方法です。
多くの場合、放っておいても数分で止まりますが、しゃっくりが出て困る状況の時もありますので、これらを覚えておくとよいでしょう。
補足
しゃっくりという現象が、なぜ人体に存在するのか、本来どのような意味があるかは、現在もよく分かっていません。
それほど警戒する必要はありませんが、たとえば毎日のように生じる、睡眠が妨げられる、胸痛を伴うなどの症状がある場合は、病気が背景にある可能性がありますので、医療機関を受診することを検討してください。



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