プロテインは美味しいけど…
昨今は筋トレがブームになりました。それに伴って、ジム通いをする人やプロテインを常飲する人が増えています。
プロテインは、栄養管理という面からも重宝します。
肉類・魚介類・豆類・卵などでタンパク質を摂ろうとすると、カロリーベースでおおむね同程度の脂質が付いてきてしまいます。
しかし、プロテインを利用すれば、ほぼタンパク質だけを摂れるので、過剰になりがちな脂質を抑えることができるのです。
その上、飲料として普段飲みしたくなるほど、美味しい商品が珍しくありません。
これは「鼻をつまんで一気に飲め」と言われた過去を思えば、飛躍的な進歩と言えます。
近年は、タンパク質と鉄分の不足(質的栄養不足)が、うつ病の主な原因の一つであることも、徐々に知られるようになりました。
トレーニングではなく、メンタル管理を目的として、プロテインを利用する方もおられることでしょう。
一見、良いこと尽くしに思えるプロテインですが、しかし気になる点もあります。

人工甘味料
最も懸念されるのは、人工甘味料を過剰に摂ってしまうことです。
人工甘味料は、一般に多用されている白砂糖や、異性化糖(ブドウ糖果糖液糖)に比べると、次のような点が優れているとされます。
・カロリーを抑えられる。
・糖質を減らせる。
・血糖値の乱高下を抑えられる。
非常に少ない量で、白砂糖と同等の甘味を出せる上、コストが安いため、カロリーオフ食品などを生産する際に好んで使用されます。
しかし、人工甘味料だから「いくら摂っても大丈夫」とか、「健康に良い」とはなりません。
あくまで、白砂糖や異性化糖に比べれば、相対的にリスクが低いだけであり、過剰に摂取すれば弊害の方が目立ちます。
そして、人々を油断させやすい人工甘味料は、結果的に過剰摂取をさせてしまう一面がありますから、注意しなければなりません。
代表的な人工甘味料は、次の通りです。どれもプロテインでは、お馴染みの甘味料です。
・アスパルテーム
・スクラロース
・アセスルファムK
これらに加えて、天然甘味料のステビアもよく使用されますが、由来が違うだけで、甘味料としての性質は似ています。
人工だから体に悪く、天然だから体に良いというものではありません。

前提条件にご注意
人工甘味料は、健康への悪影響が認められなかったという論文がありますが、これは鵜呑みにしない方がよいでしょう。
試験期間は短いと3カ月以内、長くても18カ月以内が大多数であり、年単位で常飲した場合の影響は、必ずしも明らかではありません。
また、トレーニーの中には、一日に何杯も飲む方がおられるでしょうが、大半の論文はそうした多飲を前提にしていません。
たとえば、一日3杯のプロテインを、2年以上飲んでいる場合、その安全性を裏付ける有力な根拠は、現時点では十分にないのです。
こういう人が、たとえば一日1杯、6カ月の常飲で「健康に対する悪影響はなかった」という論文を頼りにしても、あまり意味がありません。
結論だけに飛びつくと、前提条件がまるでズレていたという、残念な結果になり得ます。
私はひと頃、一日3杯飲んでいた時期があり、その時に人工甘味料を減らせないかと検討しました。
ゆるトレーニーなので、摂取量は高が知れていましたが、それでも年単位で蓄積した場合は侮れないと思ったのです。
論文やデータ云々ではなく、毎日甘い物を多飲して、健康によいはずがないだろうという、直感的な判断でした。
プレーン味は珈琲で!
まず最初に試したのは、グラスフェッドのプレーン味にすることでした。
グラスフェッドに変えて割高になった一方、プレーン味にしたことで割安になったので、コスト的には十分許容できました。
甘味がなくなってしまうのは、正直寂しかったのですが、いざ変えてしまえばすぐに慣れるものです。
プレーン味は珈琲との相性がよく、混ぜるとカフェラテ無糖に似た感じになります。
元々、カフェラテ無糖が好きだった私は、これに何の不満も感じず、順調に続けることができました。3年ほどストレスなく継続しました。
不思議なもので、いったん断ってしまえば、甘いプロテインに戻りたいとは思いません。未練は意外なほど感じませんでした。
そのままプレーン味を続けてもよかったのですが、途中から「プロテイン自体の代替は他にないか」と考えるようになりました。
なぜかと言うと、乳製品を警戒し始めたからです。

乳製品は体によい?
私たちは必要以上に、乳製品に良いイメージを持たされています。
「健康のために」と思って、牛乳やヨーグルトを常用している方も、少なくないかもしれません。
しかし、乳製品は一部のがんと関係があり、女性なら乳がん、男性なら前立腺がんに影響すると言われます。
グルテンの悪影響を受けやすい人は、カゼインにも反応しやすいですから、人によっては乳製品が体調不良の原因ということもあり得ます。
一方、期待するほどの健康メリットはなく、日本の伝統的な食品で代替できます。
日本は発酵大国ですから、プロバイオティクスが目当てなら、乳製品に頼る必要はありません。
詳しくは別記事「牛乳は体に悪い?」をご参照ください。
折しも、手頃な価格のプロテインが、工場における杜撰(ずさん)な生産管理で、粗悪品を販売していたことが世間を騒がせた時期です。
私は思い切って、プロテイン離れをすることに決めました。
代替1 だし粉
あれこれと試してみたのですが、プロテインの代替として、ひと様にお勧めできるのは二つしかありません。
筆頭は「だし粉/だしこ」です。別名「魚粉/ぎょふん」とも呼ばれます。
骨を含めて魚を粉末状にしたもので、栄養価に優れています。カツオ節を粉にしたものと考えると、イメージしやすいでしょう。
だし粉の種類は多く、カツオ・サバ・いわし・あご(トビウオ)などがありますが、最も手頃なのは「いわし」です。
1kgあたり2,000円台なので、プロテインと似た水準です。
魚をそのまま食べるのと同じなので、タンパク質を多く含んでいる他、微量栄養素にも優れています。
ホエイプロテインとだし粉を比較してみましょう。参考として、きな粉も含めました。

タンパク質の含有量は、やはりホエイプロテインが優秀であり、75~85gと頭一つ抜けています。
しかも、アミノ酸組成にも優れており、吸収されやすいので、効率を重視するなら、ホエイプロテインはやはり魅力的です。
一方、だし粉は64.5gと健闘しています。ビタミン・ミネラルが豊富な点も優れています。
この表には含まれていませんが、私が考える「だし粉の最大の魅力」は、甘味ではなく塩味が合うことです。
プロテインは大半が甘味であり、ものによっては酸味や苦味が入りますが、塩味ベースは不思議なほど見かけません。
塩味が合うとは、要するに味噌や醤油が合うということです。
つまり、旨味たっぷりのスープを、プロテイン代わりにできるわけです。
人工甘味料や乳製品を減らしたい人には、打ってつけと言えます。
私は一気に乗り換えましたが、必ずしもプロテインとの二択にする必要はありません。併用して味を使い分けてもよいでしょう。
甘味ばかりではなく、味ローテの中に塩味を混ぜると、飽きずに美味しくいただけると思います。
なお、当然ですが本来の用途、つまり料理の旨味としても使うことができます。

代替2 きな粉
きな粉は非常に優れた食品ですが、タンパク質を軸に比較すると、やはり明確に劣ってしまいます。
ただ、きな粉にはきな粉の魅力があるので、私は好んで併用しています。
ほんのりした甘味やとろみも良いですが、食物繊維やカリウムが豊富なのが有り難いところ。
タンパク質にこだわり過ぎて、ブロッコリー以外の野菜に興味をなくしてしまう人が稀にいますが、それはやや極端だとしても、食物繊維が不足しがちなトレーニーは多いものです。
プロテイン感覚で食物繊維を補給できるのは、腸の健康にとってはポイントが高いと言えるでしょう。
すべてをきな粉に乗り換えるのは、必ずしもお勧めできませんが、選択肢の一つに含めて併用する分には、十分に魅力があると思います。
1kgあたり1,000円台で買えるので、コスト的にも軽くなります。
私はシェーカーに「水・きな粉・醤油」を入れて振り、それを朝食代わりにしています。
デスクワークで体を使わないので、朝食はできるだけ軽くした方が、仕事の効率が上がるのです。
空腹感が邪魔にならない程度のごく少量が、最も頭が回る気がしています。
プロテイン代わりにする時は、ここに更に「だし粉」を加えて飲んでいます。
確かにタンパク質の効率は落ちますが、健康目的でジム通いしている、私のようなゆるトレーニーには、ほとんど影響はありません。
プロテインの代替を探している方は、だし粉やきな粉を検討してみてもいかがでしょうか。
ローテーションに含めたり、混ぜて使ったりと、徐々に乗り換えていけば抵抗も少なく、自分に合う方法を見つけやすいと思います。



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