大司教レアの正体
風花雪月は帝国歴1180年に第1部が、帝国歴1185年に第2部が始まります。
大司教レアや副官のセテス、その娘のフレンは、さもこの時代の人間であるかのような印象を受けます。
しかし、彼/彼女らは実は、少なくとも1,000年以上は生きている竜族(ナバテア人)でした。
風花雪月のオープニングは、帝国歴91年に生じた「タルティーン会戦」を描いています。
これはフォドラ北半に位置するタルティーン平原で、セイロス軍がネメシス軍と激突して、これを破った戦いです。
私たちがプレイする時代から、約1,100年も前の出来事であり、最初の時点では誰もが過去の人物と考えることでしょう。
しかし、この時に軍を率いた聖者セイロスは、実は大司教レアその人であることが後に判明します。本人が生き続けていたわけです。
容姿がそっくりなので、縁者かもしれないという印象は受けますが、まさか本人だとは思いません。
この事実は黒鷲学級のルートに進むと、紅花の章においてレア自身が自白しています。
レア
・今はセイロスと呼びなさい。
私はもう大司教ではありません。一人の戦士です。

そこに慈愛に満ちた大司教としての姿はなく、戦士セイロスとして非情な発言をしています。
レア
・セイロス騎士団よ、撤退はありません!
一人でも多くの敵を屠り、地獄へ送ってやりなさい!
レア
・…かつて私は、戦士セイロスとして、この地で邪王ネメシスを討ち取りました。
そして今、奇しくもあの男と同じ剣を持つあなたと対峙している…。
あなたが辿るべき運命もあの男と同じ…
私の剣に貫かれ、血を吐いて死ぬのです!
セテス父娘の正体
セテスとフレンの父娘も、レアと同じく竜族(ナバテア人)であり、やはりタルティーン会戦の当時から、約1,100年にわたり生き続けています。
レアが天竜「白きもの」に顕現できる一方、セテスとフレンは竜の姿になる力は失っているようです。
セテス
・かつて、女神の眷属は皆、「白きもの」のように姿を変えられたのだ。
私はすでにその力を失くしてしまったが、レアにはまだ、その力が残っていたらしい。
地竜の証
・キッホルの紋章を宿す地竜「槌をならすもの」の証。
所持していると、キッホルの小紋章と同じ効果を発揮する。
竜に顕現できた頃のセテスは、地竜「槌をならすもの」と呼ばれていました。
子煩悩のセテスは、長命で老けにくいのをいいことに、フレンの兄と偽って過保護に徹しています。
ハンネマンはセテスの怪しさに気づきましたが、しかし大学者の彼とはいえ、セテスが数千年を生きる竜族だとは思わなかったようです。
ハンネマン
・いやはや、我輩も年々老いてきたものだと嘆いているのだ。
しかし、君はほとんど変わらないな。
我輩と同じだけ時を過ごしたはずなのに。
ハンネマン
・君の妹だというフレン君は、我輩が帝国から大修道院に来た頃に生まれたらしいな。
しかし我輩は、君が妹に会ったり、文をしたためたりするのを見たことがないぞ。
だというのに、君と彼女はとても仲が良い。
長年一緒だった家族のように、な。
四聖人は存命中

タルティーン会戦の当時、セテスは「キッホル」と、フレンは「セスリーン」とそれぞれ名乗っていました。
聖者セイロスと同じく、過去の偉人と思われた四聖人もまた、千年の時を超えてなお存命だったのです。
四聖人
・聖マクイル
・聖インデッハ
・聖キッホル
・聖セスリーン
「じゃあ、マクイルとインデッハは誰なんだ?」と思うでしょうが、これについては後述します。
結論だけ先に言えば、マクイルとインデッハは竜の姿のまま、人間社会から離れて隠棲しています。ゲームにおいては外伝の中で登場します。
キッホルやセスリーンのように、人間の姿と名前を持っていません。
子煩悩な理由

セテスが異常に子煩悩なのは、彼がかつてフレンを失いかけたからです。
フレンは、戦場で倒れた味方を治癒し続けて、力を使い果たしてしまい、数百年に及ぶ長い眠りにつきました。
セテスは先だって妻(フレンの母)を亡くしており、娘まで失うかもしれないという恐怖が、トラウマのようになったのでしょう。
この事実はセスリーン本人、つまりフレンが語っています。イグナーツとの会話から抜粋します。
イグナーツがセスリーンの絵を描きたいと言ったところ、フレンは嬉しそうに喋ってしまいました。表向きの歴史と異なるため、本当は伏せておくべき情報だったのですが。
フレン
・戦乱が続く大地で、セスリーンは父キッホルと隠遁生活を送っていました。
そんな時、戦乱を憂いていた聖者セイロスと出会い、3人は協力することになります。
イグナーツ
・(…あれ? 聖者たちは、女神様の啓示を受けて集まったんじゃ…)
フレン
・全土を支配せんとしていたネメシス率いる十傑と戦ったタルティーン会戦では…
戦場に倒れた味方の兵士を癒し続け、やがて力尽きて長い眠りについたのです。
イグナーツ
・(…伝承だと、戦乱で傷ついた民衆を奇跡の術で救ったとあったけど…)

以下が事実であることは、本人たちの会話から明確に描かれています。
・セテスが聖キッホルであること。
・フレンが聖セスリーンであること。
・二人が父娘であること。
セテス
・せめてこの戦いが終わるまでは、お前を心配することを許してくれ。
父として、お前を失いたくない。かけがえのないお前を…。
フレン
・ふふ、わかりましたわ。仕方がありませんね。
お父様には、お父様とお母様の二人分、心配することを許してあげますわ。
2倍までですからね、キッホルお父様。
セテス
・…ああ。ありがとう、セスリーン。
マクイル&インデッハ
四聖人の残る二人、マクイルとインデッハについて見ていきましょう。
この両者は、人間社会から離れて隠棲しており、セテスやフレンのように、人間の姿と名前を持っていません。
姿は竜のまま、名前も当時のままです。
風を呼ぶもの
マクイルは、クロードの外伝「砂に眠る神話」に登場します。
本名のマクイルではなく、通称の「風を呼ぶもの」で呼ばれています。
クロード
・その聖マクイルの伝記を紐解くと、面白いことが書かれててな。
マクイルは、聖人たちの中でも特に手先が器用で、鍛冶の技にも秀でていた。
その技で数多くの神聖武器をこしらえて、セイロスの戦いに貢献したんだそうな。
もちろん、自らも武器を取って戦った。
セイロスに次ぐ強さだったらしいぜ。
解放王から邪王に堕ちたネメシスと戦ったタルティーン会戦でも活躍したらしいが…
その会戦で命を落とし、その亡骸は聖廟の棺の中に安置された…。
…と、思いきや、実は異説もあってな。
新天地を求めて旅立ったっていうんだ。
聖マクイルは東の地からフォドラを出て、海を渡って姿を消した…ってな。
ネメシス軍との戦いが終わった後、マクイルはスレン半島の砂漠で隠れ住んでいたようです。現代で言えば、ファーガス神聖王国の北東部になります。
本人によれば、人の世に嫌気がさしたそうです。
風を呼ぶもの
・…あの者らは、うぬの仲間か?
セテス
・そうだ。今、共に戦っている。セイロスが危うい状況にあってな。
風を呼ぶもの
・…手は貸さぬぞ。人の世に嫌気がさして隠棲したのだ。今更戦争なぞ虫唾が走る。
セテス
・そう言うだろうとは思っていた。惜しいが…それも仕方あるまい。

セテスとフレンは、自分たちが竜族であることを、ベレトたちに隠しておきたいようです。
旧知のマクイルと再会した時に、微妙なやり取りを見せています。
風を呼ぶもの
・ほう、懐かしい顔だ。まったく変わらんな、セス…
フレン
・しーっ!おじさま、しーっですわよ!
風を呼ぶもの
・何を焦っているのだ、セスリ…
フレン
・しーっ!おじさま、しーっなんですのよ!
クロードの発言にある通り、マクイルは竜族でありながら、手先が器用で鍛冶の技に秀でており、多くの神聖武器を作成したと言います。
ネメシス軍は、「英雄の遺産」という最強の武器を持っていたので、それに対抗するべく、マクイルが神聖武器を作りました。
聖者セイロスが装備した剣と盾も、マクイルが鍛造したものでした。
敵方が用いた英雄の遺産は、元は赤き谷ザナドで虐殺された同胞、ナバテア人の心臓と骨を使って作られたものです。
マクイルは、同族の亡骸を振るったネメシス軍の十傑に対して、敵意を隠そうとしません。
風を呼ぶもの
・憎き十傑の匂い…。汝、何者だ。
クロード
・十傑リーガンの孫の孫のそのまた孫の…。
それより、あんたこそ何者なんだ?
風を呼ぶもの
・我は、汝らの敵よ。十傑の血筋ならば生かしては帰せぬな。
動かさざる重きもの
インデッハは、レオニー&リンハルトの外伝「湖水の伝説」に登場します。
本名のインデッハではなく、通称の「動かさざる重きもの」で呼ばれています。
こちらもセテスとの会話で、旧知であることを示されています。

セテス
・手加減してくれているようだな。感謝する。
動かさざる重きもの
・フン…買い被るな。我に、かつてほどの力は残っておらぬ。
今はせいぜい、ここを訪れる人の子らをからかうくらいしかできぬわ。
セテス
・そうか…力になってもらいたかったが、それも難しいようだな。
続いて、フレンとの会話です。
動かさざる重きもの
・おお、お前も来ていたのか。会いたかったぞ、セス…
フレン
・しーっ!おじさま、しーっですわよ!
動かさざる重きもの
・どうしたのだ? セスリ…
フレン
・しーっ!おじさま、しーっなんですのよ!
四聖人はそれぞれ、ナバテアの名前、人間の名前、竜としての通称が入り乱れているので、初見では分かりにくいかもしれません。
以下のように一覧にすると、すんなり理解できます。

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