エルデンリング考察 マリカの大逆計画 (1)

マリカの大逆計画 (1) ブログ

勇ましい鼓舞

 ELDEN RINGの物語は、マリカの大逆計画に始まったものだと私は理解しています。そう考えると、多くの不可解なことがつながるからです。

 何に大逆するかと言うと、自らを傀儡として操る上位者的な存在、すなわち「大いなる意志」です。

 その手先を含めて、上位者側に立つ者と考えれば、次の者が敵対することになります。

・大いなる意志
・エルデの獣
・二本指
・影従の獣

 王配たるゴッドフレイの軍と共に、巨人戦争を勝ち抜くまでは、マリカは忠実な傀儡だったように見えます。

 次のような言霊、勇ましい鼓舞が残されています。

アルター高原
・黄金律の探求を、ここに宣言する。あるべき正しさを知ることが、我らの信仰を、祝福を強くする。
 幸せな幼き日々、盲信の時代は終わる。同志よ、何の躊躇が必要だろうか!

巨人たちの山嶺
・戦士たちよ。我が王、ゴッドフレイよ。導きに従い、よくここまで戦ってくれた。
 あの頂きに、巨人たちを打ち滅ぼし、火を封じよう。そして、始めようじゃないか。輝ける生命の時代を。
 エルデンリングを掲げ、我ら黄金樹の時代を!

 リエーニエ戦役の開始時も、やはり黄金樹勢力の拡大を、熱心に進めているように見えます。

湖のリエーニエ
・黄金樹は、すべてを律する。選ぶがよい。我らの律の一部となるか?
 それとも律の外にあり…、何の力も持たぬ、辺境の傍流となるか。

分割で忠誠を失った?

 それでは、なぜマリカは主に対して、叛心を募らせたのでしょうか?

 ここに明確な答えはなく、推測の域を出ないのですが、「マリカを分割してラダゴンを生んだから」ではないかと、私は考えています。

 神マリカと王ゴッドフレイの間には、神人たる資格を持つ子が生まれませんでした。

 大いなる意志は、後継となる神人を生むために、マリカから男性体のラダゴンを分割します。

 このラダゴンが、リエーニエ戦役の英雄になる頃から、マリカの言霊は勇ましい鼓舞が消えて、逆に意味深な発言に変わっていきます。これについては後述します。

 ラダゴンは黄金律原理主義者であり、後にマリカから「黄金律の犬」と呼ばれました。

 人格を分割した時、ラダゴンは男性体、マリカは女性体になったと言われますが、この時に他の要素も分割されたのではないかと、私は推測しています。

 つまり、ラダゴンの「男性体・黄金律への忠誠・理性」と、マリカの「女性体・黄金律への不信・人情」に分かたれたのではないかと。

 ラダゴンが忠誠を持って行った結果、マリカには不信が残されたと考えると、多くのことが綺麗に収まります。

マリカ
・おお、ラダゴンよ、黄金律の犬よ。お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない。
 さぁ、共に砕けようぞ!我が半身よ!

不自然な再婚

 厄介なのが、この後の流れです。

 ラダゴンはレナラと婚姻して、リエーニエ戦役を終わらせました。表面上は講和ですが、実際はカーリア王家が黄金律の傘下に入っています。

 この夫婦には待望の神人、ラニが生まれましたが、ラニは傀儡になるのを嫌って、神の後継を拒むことになります。

 やがてラダゴンはレナラを捨て、マリカの2番目の王配になりましたが、これはおそらく大いなる意志の指示でしょう。

 神人が欲しい上位者から見れば、マリカとゴッドフレイの交配が失敗し、ラダゴンとレナラの交配が失敗した(ラニに拒絶された)ので、今度はマリカとラダゴンを交配させようというわけです。

 しかし、ラダゴンは元々、マリカから分割した男性体です。

 二人を夫婦にして、実質的に単為生殖させることは、非常に乱暴な実験でした。

結びの司祭ミリエル
・この結びの教会は、かつて黄金樹と月、二つの王家が和睦を結び、赤い髪のラダゴン様と、満月のレナラ様が、契りを結んだ場所なのです。
 だから、今もこの教会は、共に臨んでいるのですよ。王都の黄金樹と、レアルカリアの学院を。

結びの司祭ミリエル
・ラダゴン様は、赤い髪をなびかせた、英雄でございました。
 黄金樹の軍勢を率いてこの地を訪れ、しかし戦いの中でレナラ様と出会い、侵略の戦いを悔い、カーリアの王女たる彼女の伴侶となりました。

 …しかし、最初のエルデの王、ゴッドフレイが狭間を追放された時、彼はレナラ様を捨て、黄金樹の王都に戻り、女王マリカの王配、二番目の夫となり…二人目のエルデの王となったのです。
 そして、誰も知ってはいないのですよ。ラダゴン様が、なぜレナラ様を捨てたのか。
 いえそもそも、一介の英雄にすぎなかった彼が、なぜエルデの王として選ばれたのか。

介入の副作用 (1)

 この迷惑な介入には、三つの重大な副作用がありました。

 一つ目は、レナラの精神が崩壊したことです。

 政略結婚とは言え、ラダゴンを深く愛したレナラは、彼を失った衝撃によって、心を壊してしまいます。

 しかも、統治能力を失ったことで、レアルカリア学院が反乱を起こし、彼女は大書庫に幽閉されました。

 カッコウ騎士団がカーリア城館に攻め込むなど、リエーニエは混乱に陥ります。

 この騒動によって、黄金樹勢力はR系の子(ラニ・ラダーン・ライカード)の恨みを買ったと思われます。R系は後に反旗を翻すことになります。

結びの司祭ミリエル
・夫たるラダゴン様に捨てられた後、心を失くしてしまわれ、学院が王家に反旗を翻した時、その大書庫の虜囚となったのです。
 …そしてレナラ様は、ラダゴン様の贈られた琥珀のタマゴに縋り、許されぬ術に耽っているのです。
 …おぞましい、産まれ直しの秘術に。
 …御仁、覚えておいてくだされ。結びは、それが反故にされた時、より惨たらしく壊れるのです。

リエーニエの剣碑
・カーリア城館防衛戦 卑劣なるカッコウどもの屍場

介入の副作用 (2)

 二つ目は、単為生殖による弊害です。

 マリカとラダゴンの子は、全員が望ましくない特徴を持って生まれました。

・永遠に幼いミケラ
・腐敗を宿したマレニア
・蛇と炎を宿したメスメル

 ミケラとマレニアの兄妹は、待望の神人ではありましたが、それぞれ呪いを受けたかのような欠陥を抱えています。

 この二人は結局、先天の欠陥に悩んだ末、黄金律を見限って、ミケラの慈愛の律を志すようになりました。

 マレニアは、持って生まれた腐敗の律を、宿痾として拒んでいます。神人の資格には目もくれず、「ミケラの刃」を名乗りました。

 また、蛇と炎を宿したメスメルは、マリカに疎まれて、追放同然に影の地へ飛ばされました。

 ハイリスクな介入をしながら、マリカの後継になり得る真っ当な神人は、結局生まれなかったのです。

介入の副作用 (3)

 そして三つ目は、マリカとラダゴンが肉体を共有したことです。

 以前の二人は、それぞれに肉体を持っていたようです。そうでなければ、ラダゴンとレナラの夫婦生活は成立しません。

 しかし、おそらくは単為生殖のために、再婚を機に一体化することになったのでしょう。

 マリカとラダゴンは、一つの肉体に、二つの魂が同居するという、歪んだ関係になりました。

 大彫刻に秘された「ラダゴンとは、マリカである」は、このことを暴露しています。

結びの司祭ミリエル
・ラダゴン様には…、秘密があったと聞いたことがあります。
 黄金樹の王都の、ある高名な彫刻家が、ラダゴン様の大彫像を作るために召し出され…秘密を垣間見たのだそうです。
 そして、大彫像にその秘密を隠したのだと。

大彫像に隠された秘密
・ラダゴンとは、マリカである。

 つづく。

 注
 この記事は個人の考察であり、フロムソフトウェア社の見解ではありません。
 内容の正確性を保証するものではなく、作品をより楽しむための娯楽的推測であることをご了承ください。

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