人生を変えた言葉
私はFIREを実現するまで、約7年の準備を重ねました。
その間、心が折れそうになったり、これで正しいのかと疑問を持ったことがありますが、そんな時に私を支えてくれたものが幾つかあります。
その一つが、「死ぬ前に後悔すること」という情報でした。
どなたの発言かは忘れてしまったのですが、結論は覚えていまして、1位は「あんなに働くんじゃなかった」で、2位は「子供ともっと多くの時間を過ごせばよかった」でした。
両方とも、自分の私生活をないがしろにして、働き過ぎたことに対する後悔です。

当時、心身を削るような働き方をしていた私は、おそらくグレー労働に疲れていたのでしょう。
この言葉が印象的で、一度目にしただけなのに記憶に残りました。
なお、私が知ったのは上記の結論でしたが、調査によって内容はやや異なるようです。
死ぬ前に後悔すること
仕事の捉え方や働くことに関しては、様々な意見があります。
「仕事こそ生きがい」とか、「仕事が楽しくて仕方ない」という人は一定数おり、特に有能な人間に多いようです。
事業を起こす人などは、大多数がこれに該当するかもしれません。

一方、HSP(Highly Sensitive Person/繊細さん)のように、よくある一般的な職場でも、刺激が強すぎて辛いと感じる人もいます。
私自身もHSPの傾向があり、仕事は全然嫌いではないのですが、こちらに近いタイプでした。
仕事観は「どれが正しいか」ではなく、「どれが自分に合うか」という問題ですから、議論したり押し付け合ったりしても、ほとんど意味がありません。
しかし、その人の仕事観に関係なく、全部をひっくるめて、死ぬ前に後悔することの1位が、「あんなに働くんじゃなかった」というのは、無視できない話だと思います。
仕事によって失ったもの
これは仕事観うんぬんではなく、「仕事によって失ったもの」に対する後悔でしょう。
2位の「子供ともっと多くの時間を過ごせばよかった」にも、その一端が表れています。
印象的なエピソードがあります。
作家の阿部譲二氏は、元暴力団員であり、通算して8年間ほど刑務所で服役しました。
ある日、記者に「親不孝だったのではないか」と問われた時、彼は「親孝行は3歳までに終わっている」と答えました。
幼児期における無邪気な笑顔や、愛らしい仕草、初めての「できた」という成長の瞬間などに、親は一生分の喜びや幸せをもらっているという意味です。

彼の返しが適切かどうかは置いといて、この発言自体は本質を突いています。
仮に、この大事な時期に仕事に忙殺されて、ほとんど子供に関わることができなかったとしたら、どうでしょうか。
そして、その後も仕事を優先して、子供との関係をないがしろにしてしまい、死が近づいた時期に、見舞いにすら来てくれないほど、疎遠になってしまっていたら。
「後でやろう」が通用しない
今日やるべき仕事を明日に回すと、目に見えて問題になります。
一方、子供と遊ぶ時間を一日先送りにしても、すぐには何も起こりません。
配偶者との会話を一週間減らしても、ただちに困ることはありません。
運動や健康管理を後回しにしても、翌日に罰が下るわけではありません。
だから、私たちはどうしても、目の前の仕事を優先しがちになります。そして気が付くとそのまま、ずるずると時間が過ぎています。
仕事が好きな人は、特にその方向に流されてしまうでしょう。
仕事で結果を出して、他の人間より稼ぐことが、自分や家族の人生をよくする面があるのですから尚更です。
このあたりの塩梅をどうするかは、確たる結論のない永遠のテーマかもしれません。

人生には「後でやろう」が通用しないものがあります。
子供の成長を見守る時間。家族と笑い合う時間。友人と語り合う時間。趣味に没頭する時間。あるいは、何もせずにのんびり過ごす時間。
そうした時間は、失った後に初めて、その価値に気づきます。
しかし、頭ではそう理解していても、死ぬ間際に納得できるように、人生を上手く送るのはなかなか難しいようです。
やったことは後悔しない
FIREを目指して、準備をしていた時期の私には、明確にやりたいことがあったので、上記の内容を都合よく利用した面があります。
有り難いことに、当時勤めていた会社には、実績以上に評価していただきまして、仕事や待遇に大きな不満はありませんでした。
しかし、「今じゃないとできない」とか、「このまま我慢して働けば、たとえ出世したり、資産を貯めたとしても、おそらく後悔する」と考えて、FIREを断行しました。
やりたかったことをやり、煩悩がある程度抜けて、少し冷静になってみると、条件のよい職を放り出して「もったいないことをした」と思うことはありますが、今に至るまで一度も後悔はしていません。

その後、親が要介護状態になって、自宅介護が始まりましたので、「今じゃないとできない」という思い込みは、結果的には正しかったからです。
一般に「やったことは後悔しないが、やらなかったことは後悔する」と言います。
格言のようによく聞くフレーズですが、自分の体験からもその通りだと思います。
一覧
現在は「死ぬ前に後悔すること」をテーマにした書籍が、何冊か出版されています。
参考までに、公開されている情報を列記しておきます。著者による発信や、電子販売されている書籍の目次などから拾いました。
各々の価値観によって、響くものと響かないものがあるでしょうが、この一覧には多くの示唆があります。
時折りこの一覧を眺めて、「今やっていることに、10年後、20年後の自分が納得できるだろうか」と考えると、大きく道を外さなくて済むかもしれません。
私自身も、そのように注意したいと思っています。
なお、番号が振られていますが、ランキングではありません。
死ぬ瞬間の5つの後悔
死ぬ瞬間の5つの後悔(ブロニー・ウェア 著/新潮社)
- 自分に正直な人生を生きればよかった。
- 働き過ぎなければよかった。
- 思い切って自分の気持ちを伝えればよかった。
- 友人と連絡を取り続ければよかった。
- 幸せをあきらめなければよかった。
死ぬときに後悔すること25
死ぬときに後悔すること25(大津秀一 著/新潮社)
- 健康を大切にしなかったこと。
- たばこを止めなかったこと。
- 生前の意思を示さなかったこと。
- 治療の意味を見失ってしまったこと。
- 自分のやりたいことをやらなかったこと。
- 夢をかなえられなかったこと。
- 悪事に手を染めたこと。
- 感情に振り回された一生を過ごしたこと。
- 他人に優しくしなかったこと。
- 自分が一番と信じて疑わなかったこと。
- 遺産をどうするかを決めなかったこと。
- 自分の葬儀を考えなかったこと。
- 故郷に帰らなかったこと。
- 美味しいものを食べておかなかったこと。
- 仕事ばかりで趣味に時間を割かなかったこと。
- 行きたい場所に旅行しなかったこと。
- 会いたい人に会っておかなかったこと。
- 記憶に残る恋愛をしなかったこと。
- 結婚をしなかったこと。
- 子供を育てなかったこと。
- 子供を結婚させなかったこと。
- 自分の生きた証を残さなかったこと。
- 生と死の問題を乗り越えられなかったこと。
- 神仏の教えを知らなかったこと。
- 愛する人に「ありがとう」と伝えなかったこと。
医者が教える 人が死ぬときに後悔する34のリスト(抜粋)
医者が教える 人が死ぬときに後悔する34のリスト(川嶋朗 著/アスコム)
- 「なぜ生きたいのか」を真剣に考えてこなかった。
- 生きているうちに「ごめんなさい」と言えなかった。
- 人に言えない悩みを引きずってしまった。
- 病気のせいで夢をあきらめてしまった。
- 途中で病院を替えることを躊躇してしまった。
- セカンドオピニオンを聞かなかった。
- 健康診断で病気にされた。
- 延命治療を受けてしまった。
- 家族に無理やり入院させられてしまった。
- 「愛している」と言えなかった。
- エンディングノートをつけておかなかった。
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