エルデンリング考察 愛された子と疎まれた子 (1)

愛された子と疎まれた子 (1) ブログ

黄金のゴッドウィン

 黄金樹勢力には、多くの王子が生まれましたが、その中で愛された子と疎まれた子の落差が、残酷なほどにあります。

 黄金のゴッドウィン(Godwyn the Golden)は、愛された子の筆頭です。

 その愛称からして、特別感にあふれています。まさしく黄金律を体現する存在であり、次代の王と期待されたかもしれません。

 マリカは彼を失ったことで、気が触れたとさえ言われます。

 実際は狂っていなかったと思われますが、そう見えるほど落胆したのは事実なのでしょう。

ラニ
・…冷たい霧の夜だった。死のルーンが盗まれ、黄金のゴッドウィンが、デミゴッド最初の死者となった時…女王マリカは狂ったのだろう。

 ゴッドウィンは作中で一切活躍せず、死んでから存在感を示した特異な存在でしたが、彼に関わる重要な歴史が一つあります。

 それは「古竜戦役」です。

古竜戦役

 古竜戦役は、その古そうな名前からして、巨人戦争と同じくらい過去なのかと思いきや、実は狭間の地を統一した後の出来事です。

 活躍したのは、ゴッドフレイでもなく、ラダゴンでもなく、黄金のゴッドウィンでした。

 古竜グランサクスが、突如として王都ローデイルを襲撃して、その城壁を破壊したと言われます。史上初の被害であり、王都側は混乱したようです。

グランサクスの雷
・大古竜グランサクスの得物から削り出した槍。「伝説の武器」のひとつ。
 大古竜の襲来は、ローデイルの城壁が破れた歴史上唯一の事例であり、続く古竜たちとの戦いの端緒でもあった。

 ここで活躍したのが、黄金のゴッドウィンだとされています。

 王都には、古竜グランサクスの巨大な遺骸が残っていますが、これをゴッドウィンが仕留めたのかは、必ずしも明らかではありません。

 一方、明確に確認できるのは、彼が古竜フォルサクス(後に死竜)に勝ち、その後に和解して友となったということです。

アルター高原の剣碑
・古竜戦役最後の地 黄金のゴッドウィン勇戦し 古竜フォルサクスを友とす

雷の槍
・かつて黄金のゴッドウィンは、古竜フォルサクスに打ち勝ち、友とした。
 王都古竜信仰の始まりである。

 表面上の和解ではなく、命を預けるほどの関係だったらしく、両者は真の友情を築きました。

 ゴッドウィンが、黒き刃の陰謀の夜で不完全な死に方をして、肉体だけが生きる死王子となった後、古竜フォルサクスは死王子の内に入って、死と戦い続けたと言います。

 その過程で、フォルサクスは死竜となり、しかし結局、死に勝つことはできませんでした。

死竜の追憶
・黄金のゴッドウィンが死王子となった後、古竜はその友の内で死と戦い続けた。
 その戦いに勝利はなく、ただ蝕みだけがあった。

落とすために持ち上げた?

 古竜戦役は情報が少なく、謎の多いイベントですが、まるでゴッドウィンのために作られたかのようです。

 父であるゴッドフレイ王が、敵を薙ぎ倒したのとは対照的に、ゴッドウィンは古竜を友として和解し、竜餐信仰を黄金律に取り入れています。

 ただ強いだけでなく、容姿や人格にも優れており、まさに支配者として相応しいという描き方です。

 しかし、黄金律の象徴であるかのように見せた後、今度は一転して「死王子」という、黄金律の秩序を乱す元凶に墜ちました。

 古竜戦役は、死王子に転落する前の振りとして、いったん持ち上げるための歴史ではないかと、勘繰りたくなるほどです。

古竜と飛竜

 古竜は、黄金律以前の時代に王だった竜王プラキドサクスに連なる種であり、フィールド上でよく見る飛竜とは異なります。

竜王の追憶
・黄金樹に刻まれた竜王プラキドサクスの追憶。
 時の狭間、嵐の中心に座す竜王は、黄金樹の前史、エルデの王であったという。

 古竜は4枚の翼と4本の脚が特徴であり、赤雷を操る個体が多くいます。石のように硬く白い肌をしています。

 これに対して、ワイバーンタイプの飛竜は、2枚の翼と2本の脚であり、色や吐くブレスの種類も個体によって様々です。

 作中で登場する古竜は多くありませんが、名前に「サクス」を含んでいます。

・竜王プラキドサクス
・古竜グランサクス
・古竜ランサクス
・死竜フォルサクス
・古竜セネサクス

 他には、古竜フローサクスのように、人の姿で竜餐を広める個体もいました。フローサクスは、遺灰として味方になる珍しい古竜です。

古竜フローサクスの遺灰
・霊魂の宿った遺灰。古竜フローサクスの霊体を召喚する。
 新しい王に仕えるため、自ら霊体になった存在。
 彼女はかつて、竜餐を伝えるため人の姿を得た。そして今、人の心も得たのだろう。

ミケラ

 待望の神人として生まれたミケラは、当初は親に愛されたようです。

 幼年期のミケラは、父ラダゴンと次のように祈祷を贈り合うなど、良好な関係でした。

 双子のマレニアの方には、こうした記述はありません。腐敗を宿して生まれた彼女は、親に愛されなかったのでしょうか。

光輪
・黄金律原理主義の祈祷のひとつ。
 それは、幼きミケラが父ラダゴンに贈った祈祷である。

ラダゴンの光輪
・黄金律原理主義の祈祷のひとつ。父ラダゴンの、幼きミケラへの返礼。

 しかし、ミケラに「永遠に幼い」という呪いがあることを知って、親の愛は冷めてしまったようです。

 その上、黄金律が妹マレニアの腐敗を治せなかったこともあり、ミケラの方も次第に、親と黄金律から距離を取るようになります。

腐敗の女神の追憶
・ミケラとマレニアは、唯一人の神の子供である。
 故に二人は神人であるが、その生は脆弱であり、一方は永遠に幼く、一方は腐敗を宿した。

ラダゴンの光輪
・幼きミケラは原理主義を捨てた。それが、マレニアの宿痾に無力だったから。
 無垢なる黄金、そのはじまりである。

 結局この双子は、慈愛の律を志して、黄金律と分立することになりました。明確な反逆と言えます。

 黄金樹に代わる聖樹を育てようとしたり、異父兄モーグの死体に、異母兄ラダーンの魂を植え付けたりと、その愛らしい容姿とは裏腹に、派手にやらかした子でした。

 DLCは、神になろうとしたミケラと、(一方的に約束した)約束の王ラダーンの物語です。

神と王の追憶
・幼き日、ミケラはラダーンに王を見た。
 脆弱な自分たちにはない、強さを、そして優しさを。
 だから、ミケラは純真に願った。私の王に、なってください。

老兵アンスバッハ
・まったく、事実とはいつでも碌でもないものですな。
 モーグ様を利用し、影の地に至るだけでは飽き足らず、その遺体すら、 王の依り代にしようなどと。
 魂など必要なく、ただ空っぽの肉体だけを求めるなどと。
 …ああ、けれど、ミケラ様はきっと、それが辱めであるとは、想像もされないでしょう。
 …我が主が、哀れすぎるではありませんか。

赤獅子フレイヤ
・戦祭りが終わり、名誉ある最期を得た将軍の魂を、ミケラ様が呼び戻すというのか…。

 ラダーンからすれば、妹マレニアの腐敗で狂人にされて、ようやく戦祭りで名誉ある死を遂げたのに、今度は兄ミケラに召喚されて、モーグの死体を依り代に使役されたわけです。

 ごく控えめに言って、酷い話でしょう。彼にとってこの双子は、疫病神でしかありません。

 つづく。

 注
 この記事は個人の考察であり、フロムソフトウェア社の見解ではありません。
 内容の正確性を保証するものではなく、作品をより楽しむための娯楽的推測であることをご了承ください。

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