忌みの双子
疎まれた子と言えば、モーグ&モーゴットの双子でしょう。
角を持って生まれた彼らは、坩堝嫌いのマリカに疎まれて、忌み捨ての地下に廃棄処分にされました。
古代は神聖視された特徴であり、黄金樹勢力が狭間の地を支配する時も、坩堝の騎士やトロルらが活躍しましたが、その後は嫌悪されるようになりました。
よく「呪い」と言われますが、字義通りの呪いではありません。
価値観の変化により、黄金樹社会で強い差別を受けるようになった特徴を、呪いと表現しているようです。
モーグ&モーゴットの双子も、それ以外の忌み鬼も、忌まわしき糞食いも、坩堝の特徴を持って生まれただけであり、悪霊に憑りつかれているわけではありません。
生来の特徴を理由に、その社会の価値観で嫌悪されて、碌でもない人生を強要されることが「呪い」なのです。
坩堝の特徴があると、どのような不利益を社会に与えるのでしょうか?
おそらく何も与えません。ただ、その見た目や旧時代の印象、秩序のなさなどが嫌悪されたのです。
その意味では、古代の「神聖視」も同じでしょう。これもまた当時の価値観によって、必要以上に持ち上げられました。方向性は逆ですが、実質は似たようなものです。
なぜ坩堝を忌み嫌う風潮になったのかは、別記事「マリカが嫌った炎と坩堝」をご参照ください。
廃棄処分

忌み水子
・忌み赤子は、その醜い角をすべて切られ、大抵はそのまま死んでしまう。
角を持って生まれた子の運命は悲惨でした。
角をすべて切られて、その時の激痛や傷が元で、大半は死んでしまったようです。
仮に生き残ったとしても、今度は忌み潰しによって、鉈で潰されてしまうのですから、ここまで忌み嫌われると、まさしく価値観による呪いです。
王家の忌み水子
・王家の忌み赤子は、角を切られることはない。
その代わり、誰にも知られず、地下に捨てられ、永遠に幽閉される。
そして、ひっそりと供養の像が作られる。
王家の子が角を持って生まれた場合、角を切られることはありません。
しかし、忌み捨ての地下に廃棄・封印されて、「永遠に幽閉される」とあります。そして、供養の像を作って死んだことにされます。
モーグ&モーゴットの双子は、この扱いで地下に拘束されていました。
モーグの拘束具/マルギットの拘束具
・黄金の魔力を帯びた呪物。
忌み子と呼ばれる呪われた者たち、そのただ一人を、特に厳重に拘束するもの。
僅かだが、その拘束の魔力は残っており、かつての幽囚モーグ(またはマルギット)を、一時的に地に縛るだろう。
忌み鬼マルギット(Margit)は、忌み王モーゴット(Morgott)の幻影であり、詳細は割愛しますが同一人物です。
忌み鬼、地上へ

やがて、永遠に幽閉されるはずだった彼らが、呼び戻される時が到来します。
破砕戦争の勃発です。
黒き刃の陰謀の夜に、黄金のゴッドウィンが暗殺された後、王都ローデイルは手薄になりました。
ここを狙って、ラダーン&ライカードの兄弟と、それに便乗したゴドリックが、王都に攻め込んだのです。
この時、死んだことにされていたモーグ&モーゴットが登場し、二度にわたる防衛戦で活躍して、見事に守り切りました。
剣碑
・第一次ローデイル防衛戦 君主連合 内から瓦解し敗軍となる 血の陰謀 その痕跡あり
剣碑
・第二次ローデイル防衛戦 忌み鬼 英雄の屍を築く 黄金樹に揺らぎなし
忌み王モーゴット

モーゴットは生来の角を理由に、極めて冷淡な扱いを受けました。
モーゴットからすれば、謂れなき虐待だったはずですが、しかし彼は自分を生んだ黄金樹王国を愛しました。
なぜ、そのような心境になったかは不明ですが、モーゴットは祖国を守るために奮戦します。
忌み王の追憶
・祝福なき忌み子として生れ落ちてなお、モーゴットは黄金樹の守人であろうとした。
愛されたから、愛したのではない。彼はただ愛したのだ。
幻影マルギットとして、次代の王たらんとする、野心あふれる褪せ人たちを各地で狩っていきます。
私たちにも、ストームヴィル城へ至る道で、最初の強敵として立ちはだかりました。
忌み鬼のマント
・破砕戦争において、数多の英雄を狩った忌み鬼は、黄金樹に挑み、王たる野心を抱く者たち、そのすべての悪夢である。
モーゴットはまた、夜の騎兵を指揮して、黄金樹に仇なす者を消しました。
今は指揮下にないようですが、かつては幻影マルギットと夜の騎兵が、王座を狙う褪せ人を屠ったようです。
夜の騎兵
・夜の街道をさまよう騎兵たちは、かつては忌み鬼に率いられた。
あらゆる戦士、騎士、そして英雄の死神である。
黄金樹を守ることに人生を捧げたモーゴットは、王都ローデイルの空席を前にして、義務を果たさなかった他のデミゴッドに恨み言を吐いています。
兄弟たちを「裏切り者」と切って捨て、自ら「最後の王」と名乗りました。
おそらくは最も酷い扱いを受けた子が、凋落していく黄金樹王国に、最後まで忠義を尽くしたのです。
モーゴット
・祝福なき褪せ人よ。王の座に、何の用がある。
あぁ…、黄金のゴドリック。
天賦の双子、ミケラとマレニア。
将軍ラダーン。
法務官ライカード。
月の王女ラニ。
まつろわぬ、裏切り者共。
お前たちは、皆同じ。野心の火に焼かれた、略奪者よ。
…愚かな墓標に刻むがよい。最後の王、モーゴットの名を!
彼が持つ大ルーンは、幹を持つ「要の輪」であるとされます。
これは彼が、黄金樹を支える柱だったことを示しています。
モーゴットの大ルーン
・その大ルーンは、幹を持つ要の輪であり、それは二つの事実を示している。
忌み王が、黄金の一族として産まれたこと。
そして、確かにローデイルの王であったことを。
守り人として孤軍奮闘したモーゴットは、しかし報われることなく、主人公に討ち取られました。

彼は亡骸になった後、かつて狭間の地を追放された、父ゴッドフレイと再会します。
ゴッドフレイだけは、我が子モーゴットの献身を理解し、認め、短く賛辞を贈りました。
ゴッドフレイ
・久しかったな、モーゴットよ。…よくぞ、戦い抜いた。
廃棄処分にされた忌み子が、誰よりも黄金樹に忠節を尽くし、最期は父にして王配、偉大なゴッドフレイに認められて逝きました。
血の君主モーグ

モーゴットが祖国を愛した一方、兄弟のモーグは自らの穢れた血を愛しました。
忌み捨ての地下に廃棄されて、拘束具で縛られながら育った彼は、モーゴットのように黄金樹を愛することができませんでした。当然と言えば当然でしょう。
ローデイル防衛戦の時は、君主連合を切り崩す活躍を見せましたが、その後は自発的に地下へ戻っています。
モーグにとっては、「いいように利用されている」という認識だったのかもしれません。自由に活動できる身になるために、一時的に手を貸したのでしょうか。
彼は血の君主として、地下に「モーグウィン王朝」を建国しようと画策します。
詳細は不明ですが、「真実の母」という外なる神を信奉し、黄金樹とは別の王国を作って、自分が王になろうとしたのです。
外なる神は、名前だけが作中に何柱か登場しますが(火の神、腐敗の神など)、黄金律の黒幕「大いなる意志」の競合に相当します。
血授
・地の底で、傷を望む真実の母に見えた時、モーグの呪われた血は炎となった。
そして彼は、生まれついた穢れを愛したのだ。
モーグウィンの聖槍
・それは呪われた血に力を与える。
外なる神との交信の祭具でもある。真実の母は、傷を望んでいるのだ。
そして、狭間の地における神として、ミケラを担ごうと構想しました。
つまり、下表のように、黄金樹王国から完全独立することを狙ったわけです。

これは黄金樹の柱石たらんとした、兄弟モーゴットとは対照的です。
モーゴットが黄金樹を愛したのに対して、モーグは生来の穢れた血を愛しました。
モーグの大ルーン
・モーグは、モーゴットの双子の兄弟であり、その大ルーンもまた、似通っている。
しかしモーグは、それを呪われた血で染めた。地の底で、生まれついた穢れを愛したのだ。
しかし、モーグの思惑は、結果的には失敗に終わります。

神人ミケラを利用しようとした彼は、逆に手玉に取られてしまい、地下王国の樹立に頓挫したばかりか、死体すら利用されることになりました。
血の君主の追憶
・ミケラを神とし、自らはその伴侶として王となる。
そのために、血の閨をどれほど共にしようとも、幼き神人は何も応えなかった。
当初はモーグが、主体的にミケラを誘拐したと、世間には思われていたようです。百智卿ですら、そのように認識しています。
百智卿ギデオン・オーフニール
・やはり聖樹は、抜け殻だったか。ミケラは聖樹に宿ろうとした。
だが、完全な宿りを前に、何者かが聖樹を切開し、幼子を奪った。
…あの言葉、どうやら事実であったらしい。
真実は逆でした。
確かに、地下の王を志したモーグが、自発的に神人ミケラに接近した可能性はあります。
しかし、モーグは誘拐後に(あるいは、ほぼ最初から)ミケラに魅了されて、彼に操られていたことが、DLCにおいて判明しました。
つづく。
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