システム業界
たかが隠語と侮るなかれ。そこには長年の現場経験と理不尽さ、そして人間観察の妙が詰まっています。
今回はIT・システム編です。あまり細かい突っ込みはせず、素直に苦笑いしてください。
この業界には優秀な人間が多く、かつ「笑わないとやってられない」という重負荷、長時間労働などが常態化していることから、自虐スキルが高度に発達しています。
動いているので触るな
誰も仕組みを理解していないこと。
昔の社員が作ったシステムだが、退職済みである上、仕様書も存在しない。だが、一応動いている、という場合に使われる。
感覚としては「寝る子を起こすな」に近い。
仕様です
「はい、僕もおかしいと思いますが、直せないんです」という意味。万能系の防御呪文。
仕方ないんです、だって仕様なんですから。
ブルースクリーン
致命的クラッシュの意味。Microsoft Wintdowsが青一色の画面になって、動かなくなる様から。
なぜかIT技術者は、「青い画面=死」と連想する人が多い。
お祈りデプロイ
不安定なまま、本番環境にデプロイ(展開)すること。
テストが不十分なのは重々承知だが、納期が逼迫しているので仕方ない場合に使われる。
技術の集積であるITシステムに、信仰の要素が入るギャップがチャームポイント。
時限爆弾コード
あとで大事故になるコード。今日は動くが、未来の誰かが死ぬ。
コメントなし、謎の変数、コピペ多用、暗黙仕様などの特徴があり、危険性は認知されている(が、触りたくない)。
秘伝のタレ
継ぎ足し、継ぎ足しを続けて、誰も全貌を把握できなくなった謎システムのこと。
似たような語感に「ブラックボックス」がある。
客先常駐
他社オフィスに勤務する時間が長く、自社社員なのに自社にいないことに対する皮肉。
帰れま10(てん)
障害が解決するまで帰れないという意味。
元ネタはテレビ番組であり、この用語は多くの業界で使用されるが、IT・システムの界隈は発生頻度が高い。

昨日は動いてたんですが…
原因不明の障害のこと。
環境差異、キャッシュ、外部API、タイミングなど、よく分からない理由で動かなくなった場合に使われる。
Works on my machine
「俺のマシンでは動く」という世界的なジョーク。
開発したPCでは正常に動くが、本番環境にデプロイすると爆発する場合に使われる。
セミコロン1個で3時間
セミコロン(;)が1個足りないだけで、不具合が生じるプログラミング言語に関する皮肉。
そして、それを発見するのに、3時間かかるという恨み節。
最新技術は、時として地べたを這うアナログ作業だったりする。
本番でテスト
テスト不足のままリリースすること。納期の鬼を祓うための祈祷スキル、あるいは居直り。
馬鹿にされがちだが、自分が当事者になるとすがりたくなる。前掲「お祈りデプロイ」とほぼ同義。
技術的負債
手抜き実装によって懸念される将来コストのこと。
今はラクだが、将来苦しむことになる状態を危ぶんで言う。「未来の俺がなんとかする」と、なぜか強気の人もいる。
神エンジニア召喚
誰も解決できない問題を、古参エンジニアが颯爽と現れて、わずか数分で解決する様。
ろくな説明をせずに去っていく姿も含めて。
コードは生き物
ある部分を修正すると、他の部分に予想できない変化が生じることを畏怖した言葉。
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