万紫千紅考察 イシュマールの正体 (2)

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 イシュマールに出会った時、初対面であるにも関わらず、違和感を覚えた人物が何人かいました。

 次は、それらの人物の発言を追っていきましょう。ここにも重要なヒントがあります。

冥将リンド

 まずは、帝都ダグシオンに掛かるアルシネウス大橋の門番、冥将リンドです。

冥将リンド
・…何か引っかかる。何故かはわからぬが、貴様は私の奥底を逆撫でる…
 …そういえば、その槍は何だ? ただならぬ気配を感じるが…
 どうもおかしい…貴様は…?

冥将リンド
・…!? そうか、もしや貴様はあの時に死んでなどおらず…。
 はーっはっはっはっ、これは喜劇だ! まさかそんなことが現実に起こるとはな!

 リンドは最初から疑問を抱いており、戦いの後にはそれが確信に変わったようですが、明言しないまま絶命しました。

 上記の発言を見るに、どうやらリンドは、ソレルの処刑に立ち会ったようです。

 このリンドというのも、不義の子として生まれた上、500年も牢に繋がれていたという興味深い人物ですが、ここでは飛ばして別の機会に触れます。

ライラー

 もう一人、冥界関係者として印象的なライラーを見てみましょう。

ライラー
・なにが救世主なものか。
 その者、所詮、間に合わせで作られたジョカの調停者に過ぎぬだろうに…

 …? この感じ…何だ?
 私はすでに…お前とどこかで会ったことがある、とでもいうのか?
 そんな筈は…どういうことだ?
 お前はただの調停者ではないと…?

 明らかに戸惑っていますが、彼女の場合は確信まで至りません。殺せば同じとばかりに戦闘に突入し、そのまま敗れて散っていきます。

 当然、ライラーはソレルと何度も会っています。ラクシャ導師として。

 ライラーは生前のソレルを手玉に取りましたが、最期はしっかり復讐されました。

 1,400年に及ぶ工作活動をやり遂げ、初恋の相手ディートリヒに振られて、騙し続けたソレルに討ち取られたわけです。バロールの4姉妹は揃って薄幸でした。

ダグザ大帝

 そして、ある意味で本命のダグザ大帝。実の子ソレルを処断した父親です。

ダグザ大帝
・…誰なのだ? 貴様は…
 知らんぞ…儂は貴様のような奴は…
 …? いや…待てよ…貴様は…お前は、まさか…そんな…
 いや…そうとしか考えられぬ…しかし…どうして…そのような事が…

 困惑して信じられないという様子ですが、それも当然でしょう。確かに、目の前で殺したはずなのですから。

 それにしても、リンドといい、ライラーといい、ダグザといい、彼らは外見以外に何かを察知する能力があるようです。

 「気」のようなものを感じ取っているのでしょうか。

 次のマハマドゥは、それを「匂い」と表現しています。

マハマドゥ

マハマドゥ
・神と同じ匂いをさせるうぬが、われに向かって救世を語るなど笑止。
 このマハマドゥが、その化けの皮を剥いでくれる…

 冥将として使役されたサラミス王国の祖マハマドゥは、ソレルとの面識はないはずですが、瞬時にイシュマールが神であることを見抜きました。

 さすがは、女王セオドラのご先祖といったところでしょうか。

 ダグザの地において、神とはナバテアの純血を指しており、その中でも特に既得権層のダグザ神族を意味します。

 マハマドゥにとって、ダグザ大帝は祖国の仇敵。

 白き卵の民とダマスカル王国を滅ぼした憎き相手ですから、神の匂いを漂わせるイシュマールにも敵対的でした。

 しかし、戦闘の後は相手の力量を認め、子孫のセオドラに後事を託して成仏します。離散した民をまとめ上げた英雄に相応しい人物でした。

アウロラ

 敵だけでなく、味方の中にも察知した者が何人かいました。

 まずは、何と言っても娘のアウロラです。さすがに彼女は鋭く、初対面の時にすぐ勘づいています。

アウロラ
・カイ君はわたくしの自慢の息子なんです。
 だから、カイ君がそんなに尊敬している救世主様に、なんだかわたくしも親近感を…
 親近感を……?

 …? あら、どうしてでしょう…?
 わたくし、なんだか、ずっと昔からあなたのことを知っているような気がいたしますわ。
 変ですわ。知らない方のはずなのに…
 あなた…一体、誰なのですの?

 その正体に迫ろうという時、割って入ったのが、なにかと読めない鋼玉のセントリオンです。

 「神殿関係者と連絡が取れましたッ!」と言って、この大事な会話を遮ってしまいました。

 彼はいつだって間が悪いのです。とりわけ、敬愛するアウロラ様に関しては。

 でも、仕方ありません。規則に従っているだけですから。アウロラがいないところで、セントリオンはいつも自問自答しています。

 いやいや、真面目でイイ人なんですよ。記憶喪失のフィアナを養女にしていたりしますし。じゃあ、次に行きましょう。

セオドラ

 アウロラほどではないですが、強者ならではの嗅覚を見せた人物もいます。

セオドラ
・私がお前(※イシュマール)と最初に出会ったのは確か…

 まだ私が即位前の頃…そうだ、トロイアの祠からメガエラへ戻る途中の街道だった。
 あの街道は、位置的にはキュベレー群に近い場所と言える。
 あとは、ダグシオンにある無人のはずのユ・ファス神殿だったか。

 そう考えてみると、私がお前に会ったのはユ・ファス様に縁がある場所が多い。
 これは単純な推測だが、お前はもしやユ・ファス様に関係する者なのではないか?

 お前が言いたくないのであれば、それ以上は私も追及しない。
 だが…その沈黙を見るに、完全に見当違いという訳でも無いということか。

 このセオドラという人物は、ただ強いだけでなく、何かと眼力に優れています。

 しかし、私がプレイした時は、最後にトビヤスと結婚してしまいました。後日談で一番驚いたのは、この知らせだったかもしれません。

 支援値は計画的にッ!

ディートリヒ

ディートリヒ
・お前(※イシュマール)は…! なんという目をしているのだ…

 それはまるで…この世のすべてを目の当たりにでもしてきた者の…
 盛衰も、死生も、無常も、悲劇も…あらゆるものを飲み込むような…

 最初から最後まで「死合え!」とばかり言っていたディートリヒ。

 私は途中から食傷ぎみでしたが、最も振れないキャラだったとも言えます。色々な意味で、安心と信頼の殺人鬼でした。

 歴戦の勇者は、イシュマールの目を見ただけで異常を察知したようです。

 「この世のすべてを目の当たりにしてきた」というのは、実際にその通りでしょう。

 ソレルは短くとも約1,450年、ゼノンは短くとも約3,150年、それぞれ生きています。イシュマールの目には、その記憶が刻まれているのです。

フォトナ

 運命の神フォトナは、当然ですがイシュマールの正体を知っています。なにせ、ソレルの心臓をコンロンの里に持ち込んだのは彼女ですから。

 死んだ前提で、元ソレルと軽口をかわしています。

フォトナ
・…お主、一度死んでからずいぶん楽観的な性格に変わったのではないか?
 何となくじゃが…最近はお主から励まされる事が多くなったような気がするのう。

フォトナ
 お主、人の気も知らんと、気軽に言うてくれるものよのう。
 昔と少し性格が変わったのではないか?
 それも新しい身体の影響なのかの。

 フォトナはダグザ大帝の末子ですから、通常の家族で言えば、ソレルは兄に当たります。

 それにも関わらず、兄に対する口調に見えないのは、フォトナは実はダグザの娘ではなく、神祖ソティスの写し身だからです。

 フォトナは、ソレルを兄のように扱わないばかりか、父であるはずのダグザを「ダグザの阿呆め」と呼びますが、これは本当はダグザの娘ではなく、母親(の代理)だからです。

 この不思議な神フォトナについては、別記事として取り扱うことにします。

 なお、ソレルの性格が変わったのは、ゼノンの心核があるからで、フォトナの言う通り「新しい身体の影響」です。

ゼノン
・ほう…古い伝承にある、祝福されし追放者の名…か。
 …皮肉のつもりかもしれんが、確かに今のお前さんにぴったりかもしれん。

 イシュマールという名は、伝承によれば「祝福されし追放者」のようです。

 ソレルは、実の父に処刑された太陽の神ですから、作者によるパンチの効いた皮肉なのでしょう。

ソティス

 神祖ソティスもまた、イシュマールの正体を知っています。ソレルの魂にバロール討伐を命じたのは、彼女ですから当然でしょう。

ソティス
・「はじまりのもの」の名において、わしは今、お主に命じる。
 冥界の王バロールを討ち果たし、この地の闇を吹き払うのじゃ!

 そしてこれは、お主自らが決着をつけねばならぬ業でもある。
 この闇に閉ざされた地を再び光で照らすなど、お主にうってつけの仕事ではないか。

 最後の部分に注目してください。

 「闇に閉ざされた地を再び光で照らす」ことが、なぜ「お主にうってつけの仕事」なのかと言えば、それはソレルが「太陽の神」だからです。

 バロールが目指すのは完全なる日蝕、闇の世界ですが、これを祓って光で照らすのが太陽というわけです。

ライラー
・もう間もなく…世界は完全なる日蝕を迎えることになる。
 お父様は冥界から飛び立ち、そしてこの世界は完全に破壊されるだろう。

 そうすれば、地上のすべてが冥界に覆われることになる。
 地上はただ一人の生者も存在しない、死と沈黙が支配する場所となるのだから。

 神祖ソティスの発言にはもう一つ、見逃せない一文があります。

 それは「お主自らが決着をつけねばならぬ業」と述べているところ。平たく言えば、生前のソレルが「何かやらかしている」ということです。

 皆様、なんとなく(苦笑いとともに)勘づいておられるでしょうが、次はこの点を考えていきましょう。

 つづく。

 注
 この記事は個人の考察であり、任天堂及びインテリジェントシステムズ社の見解ではありません。
 内容の正確性を保証するものではなく、作品をより楽しむための娯楽的推測であることをご了承ください。

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