人間性はゴミに出る (1) お金持ちのゴミ 貧乏人のゴミ

ごみ (1) ブログ

人間性はゴミに出る

 「人間性はゴミに出る」と言ったら驚くでしょうか。

 ゴミは捨てるもので、捨てた後のことなど、考えない人がほとんどでしょう。

 しかし、ゴミ清掃員の滝沢秀一氏によれば、実際の生活習慣の記録であるゴミには、捨てた人の性格やその地域の特徴などが、よく表れていると言います。

 滝沢秀一氏は、お笑いコンビ「マシンガンズ」として芸人活動(太田プロ所属)をする傍ら、ゴミ清掃員の仕事を兼業している方です。

 本人によれば、「肉体労働をしながら、たまに漫才をする中日ドラゴンズファン」だそうです。

 ゴミ清掃員の視点が新鮮な上に、芸人なので話術に長けており、私は引き込まれるように聞いてしまいました。

人は嘘をつくが、ゴミは嘘をつかない

 人間は他人に見られている場では取り繕えますし、ある程度は取り繕ってしまうものでしょう。

 しかし、ゴミは「もう不要になったもの」であり、普通は誰かに見せないので、その人の本音や実態が出やすくなります。

 見栄や体裁を取り繕う必要がないからです。

 長年、ゴミ清掃の仕事に携わる人たちは、口を揃えて同じことを言います。「人は嘘をつくが、ゴミは嘘をつかない」と。

 私たちは、人前では立派なことを言います。健康に気を付けています、無駄遣いはしません、整理整頓が得意ですなど。

 しかし、ゴミ袋の中には、その人の本当の生活が詰まっています。

 実際に何を食べているのか、何を買っているのか、物を大切にしているのか、衝動買いが多いのか。

 たとえば、もし「健康に注意している」と言いながら、ゴミ袋に菓子袋やカップ麺の容器、酒の空き瓶などが多く含まれていたら、それは多くの情報を語っています。

 ゴミ清掃員たちは日々、インスタ映えならぬ「ゴミ映え」するゴミを目にする中、面白い傾向があることに気づきました。

お金持ちはゴミが少ない

 滝沢氏が特に驚いたのが、高級住宅街の方がゴミが少ないことだそうです。

 一般には、お金持ちは大量消費すると思われがちですが、実際には逆の傾向が明確にあると言います。

 これは気に入ったものを長く使う、安物を何度も買い替えない、よく考えてからお金を使う、衝動買いが少ないなどの特徴があるからでしょう。

 結果的に、お金持ちが出すゴミは、比較的少なくなるようです。

 一方、普通の住宅街では、100円ショップの商品、タグ付きのままの衣類、ほぼ使われていない日用品などが、比較的多く見られると言います。

 一部の人は「安い」という理由で買いますので、実際は使わなかったという場合があるようです。

 お金持ちは、価値のあるものや必要なものには、金に糸目を付けませんが、価値のないものや必要ないものは、少額でも出しません。

 このあたりが「お金持ちはケチ」と誤解される理由なのですが、お金との接し方がゴミに出るというのは、ゴミ清掃員らしい指摘です。

 お金持ちにも上中下があり、「上のお金持ちは、修行僧かよってくらいゴミが少ない」というのには、思わず笑ってしまいました。

 大方のイメージと異なり、大量に買って大量に捨てるのは、実は一般人のほうなのです。

お金持ちのゴミとは

 お金持ちの街は、お金持ちのゴミが出る。一般人の街は、一般人のゴミが出る。

 この事実に気づいた滝沢氏は、お金持ちのゴミの出し方をマネしました。

 自分がなりたい人間の言葉・思考・行動をマネするのは、その人に近づくための王道です。

 しかし、ゴミの出し方をマネるという発想がユニークで、私にはとても新鮮でした。

 お金持ちのゴミは、次のような特徴があると彼は言います。

・全体的に量が少ない。特に可燃ゴミが少ない。
・健康グッズが多い。テニスボールがわりとある。
・洋服が少ない。
・タバコの吸い殻が少ない。
・高級酒の箱や瓶がわりとある。

 一般人のゴミは、基本的にこれらの逆になりますが、次のような特徴があります。

・全体的に量が多い。
・コンビニ弁当の容器、スナック菓子の袋、ペットボトルなどが多い。
・洋服が多い。
・100円ショップの商品などが多い。
・栄養ドリンクや、発泡酒などが多い。
・タバコの吸い殻が多い。
・握手券付きCDがわりとある。

 ゴミ袋はある意味で、生活習慣の成績表なのかもしれません。

お金持ちのゴミをマネしてみた

 お金持ちは、何かを買う時に慎重に判断します。本当に必要なのか、使用頻度が高いのかなどを検討します。

 そして、使用頻度が高い物は、一日あたりのコストで考えて、多少値が張ったとしても、質のよい商品を選ぶ傾向があります。

 一方、一般人は安さに釣られがちで、セールなどでつい買ってしまいますが、実はそれほど必要なかった、ほぼ使わなかったということが結構あります。

 こういう場合、結果的には「お金を出してゴミを買った」ことになります。

 また、お金持ちが健康に強い注意を向ける一方、一般人は安くお腹を満たそうとして、糖質や油が多い食事に偏りがちです。

 こういった思考や行動の差が、最後のゴミに表れるのです。

 滝沢氏は、お金持ちのゴミをマネする過程で、たとえば次のような工夫をしたそうです。

・仕事用の服が幾つも必要なので、レンタルに変更した。
・詰め替え用のものがない商品は、なるべく買わないようにした。
・食品ロスをなるべく減らした。
 夫婦で一緒に冷蔵庫を見て、使い切りのアイデアを出すようにした。
・紙のゴミをなるべく減らした。
 名前と住所の箇所だけ切り取って、残りは資源として出すようにした。

 ゴミという「ゴール」を意識して、そこから逆算して生活を変えるという発想は、私もぜひ見習いたいです。

集積所にも個性がある

 好きなゴミ集積所はありますか?

 普通はないでしょう。しかし、ゴミ清掃員にはあるそうです。その地域の住民の品性が、ゴミ集積所に表れるからです。

 単純に量が多い、少ないというのもありますが、それ以外にも、たとえば良い集積所には、次のような点があると言います。

・分別をしっかりしている。
・間違った日にゴミを出さない。
・ギュウギュウまで袋に詰めていない。
・袋のしばり方に良識がある。
・集積所自体が綺麗で、ゴミが散乱していない。
・カラス対策、野良ねこ対策をしている。

 竹串が飛び出してケガをしないように、ティッシュの空箱に収めていたり、先端にガムテープを貼ったりと、ゴミ清掃員を気遣ってくれる住民が多いと言います。

 中には、ゴミを新聞紙にくるんだり、ゴミと袋の間にチラシ類を挟んだりする人もいるそうです。

 これは外から見えにくくすると同時に、カラス対策、野良ねこ対策になり、臭いを軽減する効果もあります。

引越しする時の大事な情報

 私の家の近所に、とある繁華街があるのですが、そこのゴミ集積所は、良い集積所の特徴とほぼ真逆です。

 細かい点を挙げれば色々とありますが、何より驚くのは「集積所自体が汚い」ことです。

 残飯が飛び散っていたり、ゴミ袋をしばっておらず、中身がこぼれていたり、不快にさせてしまうので詳しくは書きませんが、ひと目みて「汚い」のです。

 引越しのアドバイス集の中に、「その街のゴミ集積所を見ろ」という項目がよくあります。

 なぜなら、ゴミ集積所を見れば、その街の治安の良さをある程度、推測できるからです。

 引越しは失敗すると一大事ですから、治安を示唆するゴミ集積所の状態は、よく確認しておきたいものです。

 なお、ゴミ集積所の状態に加えて、駅前のパチンコ店の多さ、電柱などに貼られている広告、多いお店の種類なども、その街の状態を示唆しています。

会社にも当てはまる

 ゴミの出し方は、個人だけの話ではありません。

 会社であっても、ゴミの出し方がおかしい場合はよくあると言います。個人の集まりが会社ですから、当然と言えば当然でしょう。

 滝沢氏(と同僚たち)の経験によれば、ゴミの出し方がいい加減な会社は、おおむね6年以内に潰れてしまうそうです。

 これはおそらく、次のようなことが原因と思われます。

・そもそも品性のよくない人間が多い。
・社内の規律が乱れており、何かとルールが守られていない。
・コンプライアンス(法令遵守)の意識が低い。
・会社の評判を気にかけるような、愛社精神のある人間がいない。

 会社を経営する方は多いでしょうから、こうしたゴミからの視点は参考になるかもしれません。

名言

 滝沢氏の話には、印象的な言葉が多くありました。私が名言と思ったものを、幾つか挙げておきます。

人は嘘をつくが、ゴミは嘘をつかない。

ゴミにも個性がある。

その人の品性はゴミに出る。

分ければ資源、混ぜればゴミ。

資源ゴミではない。資源と呼んで欲しい。

何がゴミかは明確ではない。人間がゴミと決めた瞬間にゴミになる。

買う時には、捨てる時のことも考えてみて欲しい。

ゴミ集積所を見れば、捨てた人の気持ちが分かる。

つづく。

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