牛乳は体に悪い? (2) カゼイン ホルモン過剰 薬物汚染

牛乳 (2) ブログ

牛乳の健康リスク(続)

カゼインによる炎症

 カゼインは、牛乳に含まれる動物性タンパク質の約80%を占める成分であり、慢性的な炎症を起こしやすいと言われます。

 ただし、万人にとって炎症を促すのではなく、体質や肥満など特定条件がある場合に、炎症に関与するようです。

 たとえば、アトピー性皮膚炎の患者は、動物性タンパク質を多く摂ると症状が悪化しやすいですが、このように「人によって悪影響が出る」可能性がありますから、心当たりがある人は注意すべきでしょう。

 カゼインは、非常に分解されにくく、未消化のまま腸に届きます。

 これが腸粘膜に炎症を引き起こし、細胞同士の結合(タイトジャンクション)を破壊して、リーキーガット(腸漏れ)の原因となると言われます。

 そこから異物が血中に侵入することで、アレルギー症状や自己免疫疾患のリスクが高まります。

 さらに、分解されたカゼインの一部は、分子構造が麻薬のモルヒネに似た「カソモルフィン」という物質に変化します。

 これが脳に作用して中毒性を起こすため、「乳製品がやめられない」という依存状態を招くのです。

 人によって悪影響が出る、リーキーガットの原因になる、自己免疫疾患になりやすい、モルヒネ様物質が中毒性を起こすなど、何かと小麦のグルテンに似た性質があると言えます。

 なお、ラットを対象とした実験では、カゼインが強い発がん性を示した例があります。

 第二のマクガバン報告として有名な「チャイナスタディ」の執筆者が主張したことから、一部で注目を集めました。

 人間に発がん性があるかは、現時点では明確ではなく、次項のホルモン過剰による影響かもしれませんが、注意しておきたい情報と言えます。

ホルモンの過剰摂取

 現在、私たちが口にする牛乳は、かつての自然な乳搾りとはまったく異なり、言わば工業製品に近いものになっています。

 本来、搾乳は授乳期の牛から行うものですが、効率重視の酪農においては、妊娠中の牛からも搾乳が行われています。

 妊娠中の牛の血液には、高濃度のホルモンが含まれており、妊娠していない時に比べて、数十倍から数百倍ものエストロゲン(女性ホルモン)が含まれているという指摘があります。

 これらの過剰なホルモン摂取は、ホルモン依存性のがんのリスクを高めると考えられています。

 乳製品を毎日のように摂る人は、女性だと乳がんや子宮がんが多く、男性だと前立腺がんが多いと言われますが、それは前述のカゼインに加えて、このホルモン過剰が原因だと思われます。

 また、牛乳に含まれるインスリン様成長因子1(IGF-1)は、細胞分裂を促進する働きがあり、これががん細胞の増殖を助長する可能性も懸念されています。

 エビデンスは一般に、欧米人を対象にした実験が多いですが、日本人男性を対象とした研究でも、牛乳の摂取量が多いグループほど、前立腺がんの発症リスクが高くなるという結果が出ていますから、注意したいところです。

薬剤汚染

 畜産業や養殖業において、重ねて指摘されている問題として、薬剤による汚染があります。

 狭い牛舎で多頭飼育される牛は、その劣悪な環境と運動不足から、どうしても病気にかかりやすくなります。

 このため、飼料に病気を防ぐ抗生物質が混ぜられたり、遺伝子組み換え穀物が与えられたりすることが一般的です。

 こうした化学物質が、牛乳を通じて人間の体内に入り込むリスクは無視できません。

 人間を対象にした食品では、使用が禁止されている成分でも、家畜に対しては使用が許可されていることは多くあります。

 家畜が摂取した有害成分は、その肉や乳が食卓に並べば、結局は人間の体に入ってしまうのですから、この点はもっと警戒されて然るべきでしょう。

 少し話がそれますが、この規制に関する話は、家畜のほかペットにも当てはまります。

 人間には使用が禁止される成分が、ペットフードでは使用が認められていることは普通にあります。

 ペットが、野生に比べて恵まれた環境で生活しているにも関わらず、寿命をまっとうできずに早く死んでしまうのは、これが大きな原因の一つです。

牛乳とどう付き合えばよいのか?

 牛乳は確かに栄養が豊富であり、優秀なタンパク源ではありますが、上記の通り多くの注意点もある少し難しい食品です。

 これは牛乳に限らず、乳製品一般に言えることですが、乳製品は美味しいものが多いので厄介です。

 排除する必要はありませんが、次のとおり付き合い方を工夫した方がよいと思います。

発酵食品を選ぶ

 ヨーグルトやチーズなどの発酵食品は、発酵の過程で乳糖やカゼインが一部分解されるため、牛乳そのものに比べて、体への負担が少なくなります。

 発酵食品とは言え、カルマグバランス、ホルモン過剰、薬剤汚染などは変わりないので、デメリットがすべて解消する訳ではありませんが、牛乳に比べると相対的にリスクは減ると言えます。

嗜好品と位置づける

 最も重要なのは、牛乳を含む乳製品を「嗜好品」と位置づけることです。

 つまり、珈琲やチョコレート、アイスなどのように、時々その美味しさを楽しむ特別なものとして扱い、毎日のように摂らないことです。

 「健康のため」と思って、毎日ヨーグルトや牛乳を摂る人が少なくないですが、それは残念ながら、おそらく健康リスクを高めています。

 特にヨーグルト神話は根強いですが、腸活のために乳酸菌が欲しい場合は、納豆・味噌・醤油・ぬか漬け・米麹など、日本人の体質に合う食品をお勧めします。

 何百年と日本人が摂り続けてきた食品は、日本人の体に適合しています。

 視点を変えれば、日本で採れる食物に合わせて、日本人の体が進化してきたとも言えます。歴史を無視した食文化はあり得ません。

マグネシウムを意識して摂る

 前述の通りですが、牛乳に限らず、乳製品は総じてカルマグバランスが崩れており、カルシウム過剰になっています。

 そのため、乳製品を食べる時は、意識してマグネシウムを増やし、バランスを取ることをお勧めします。

 マグネシウムを多く含む食品は、海藻類・大豆製品・ごま・濃い緑の葉野菜・未精製の穀物などです。

 たとえば、海藻や濃い緑の葉野菜を使った味噌汁などは、美味しい上に、安く簡単に作れるので、頼れる供給源になります。

 また、昔から「ごま味噌ずい」という言葉がある通り、ごまと味噌は味的にも、栄養的にも相性がよいとされます。

 なお、カルシウムの方は、乳製品が一切なかったとしても、実は問題ありません。

 特に日本人の場合は、小魚・海藻・大豆製品・緑黄色野菜から十分に、かつ安全に摂取することができます。

 カルシウムだけを単独で、多量に摂取しようとするのは、むしろ弊害の方が多いと言えます。

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