Bloodborne考察 クモが教える真実

Bloodborne (4) ブログ

上位者は精神世界を作る

 上位者の特徴として、子孫を残しにくい、子を探し求めているということに加えて、重要な点がもう一つあります。

 それは精神世界(夢・悪夢)を形成することです。

・月の魔物   狩人の夢
・メルゴー   メンシスの悪夢
・アメンドーズ 悪夢の辺境
・ゴース親子  狩人の悪夢

 私たちは、ロマ討伐後に上位者の脅威を理解して、戦いの場を精神世界(悪夢)に移していきますが、実は最序盤から上位者の精神世界に触れていました。

 それは「狩人の夢」です。

 狩人の夢は、月の魔物が形成した精神世界で、契約者ゲールマンが管理しています。

 主人公自身も、契約してその夢に属しています。「いつ契約したんだ?」と思われるかもしれませんが、オープニングで誓約書を提出しています。

よそ者に語るべき法もない

ほう、青ざめた血ねえ。
確かに、君は正しく、そして幸運だ。
まさにヤーナムの血の医療、その秘密だけが君を導くだろう。
だが、よそ者に語るべき法もない。
だから君、まずは我ら、ヤーナムの血を受け入れたまえよ。
さあ、誓約書を。

よろしい、これで誓約は完了だ。
それでは輸血を始めようか。なぁに、何も心配することはない。
何があっても、悪い夢のようなものさね。

 ゲールマンはすべてを知りながら、「よそ者には教えない。さっさと誓約書を書きなさい」とサインさせています。

 そして、そそくさと輸血を始め、「何があっても悪夢みたいなものさ」とごまかしています。

 これで主人公は、何回も死ぬことになりました。

最も辛い管理人

 少し話が逸れますが、鴉羽のアイリーンと古狩人デュラは、過去「狩人の夢」に属していたような発言をします。

 現在は属していない(死んだら目覚めない)らしく、そうであれば何らかの事情で、月の魔物と契約して活動した後、それを解除したということでしょうか。

 契約する時は、主人公と同じように誓約書を提出したはずです。

 そして、契約を解除する時は、ゲールマンに介錯されて、普通の人間として目覚めたはずです。

 介錯された者は、狩人の夢に墓石が立ちます。

 狩人たちは契約を解除できますが、管理人のゲールマンはできないらしく、夢に囚われた境遇に疲れ果てています。

 悲痛な寝言が心を打ちます。

あぁ、ローレンス…、ウィレーム先生…。
誰か、助けてください。誰でもいい、解放してください…。
私は夢に疲れました。
もう、この夜に何も見えないのです。
あぁ、誰か…。ううう、あぁ…。

メンシスの悪夢

 赤子メルゴーの精神世界は、メンシス学派が侵入して歪めていますから、メルゴーとメンシス学派の合作ということになります。

 メンシス学派が侵入した時点で、メルゴーは既に乳母に囲い込まれています。

 ミコラーシュと乳母が、協力関係にあったようには見えません。

 何やら複雑な事情がありそうですが、主人公はそこへ乗り込んで行って、両方とも薙ぎ倒しました。

 主人公は後先を考えず、そこにいるボスを倒してしまうのです。

 ただ、メルゴーの実母(女王ヤーナム)は、そのことに感謝していたので、メルゴーにとっては良いことだったのでしょう。

教室棟が示唆するもの

 興味深いのは、ビルゲンワースの「教室棟」です。

 隠し街ヤハグルに通じる門は閉じられていますが、扁桃石を持った状態で、その門の前でアメンドーズに捕まると、教室棟1階に飛ばされます。

 そして、教室棟1階は、アメンドーズが形成する精神世界「悪夢の辺境」につながっています。

 また、ヤハグル最奥にあるメンシス学派のミイラを調べると、教室棟2階に飛ばされます。

 教室棟2階は、メルゴーが形成して、メンシス学派が干渉する精神世界「メンシスの悪夢」につながっています。

 1階と2階に分かれているのは、おそらく意図的な設定でしょう。1階は医療教会を、2階はメンシス学派を、それぞれ暗示していると思われます。

 医療教会やメンシス学派は、ビルゲンワースという同じ学術機関から派生しました。

 その学び舎の1階と2階で、接続される悪夢を分けることで、三者の関わりを示唆しているようです。

蜘蛛に与えられた役割

 教室棟2階への道を拓いたのは、白痴の蜘蛛ロマでした。

 一方、教室棟1階への道を拓くのは、扁桃石を提供する蜘蛛のパッチです。

 Bloodborneの世界は、なぜか蜘蛛に大事な役割を与えているようです。

 それは何かを隠すこと、及び隠していたものを明かすことです。

 おそらくは、月を隠す「雲」になぞらえているのでしょう。

 大事なことを隠したり、明かしたりする。それがこのゲームにおいて、蜘蛛が担っている機能です。

蜘蛛の上位者

 ロマとパッチの他に、蜘蛛のような見た目をした存在がいます。それは上位者アメンドーズです。

 見た目からして「いかにも」ですが、その名前にも含みがあります。

 Amygdalaは扁桃体を意味します。アーモンドを意味するギリシャ語に由来しています。

 扁桃体とは、好き嫌いなどの感情と結び付くアーモンド型の器官です。このゲームの場合は「恐怖」でしょう。

 蜘蛛の胴体は、アーモンド形をしています。

 蜘蛛のパッチが提供したのは、アーモンド形の「扁桃石」でした。

 パッチは、アメンドーズを信仰しているかのような発言をします。

 そして、パッチが主人公を崖から突き落とした時、その先にいたのはアメンドーズでした。

 パッチは明らかに、主人公をアメンドーズの元へ誘導しています。生贄にしたかったのでしょうか。

悪夢を見せる「運び屋」

 アメンドーズは、ヤーナムの各所で高所に張り付いています。レーザーで攻撃してくる個体もいますが、基本的には観察しているだけです。

 ロマという蜘蛛は、(その死によって)赤い月の真実を明かしました。

 それでは、アメンドーズという蜘蛛は、一体なにを明かしたのでしょうか?

 それは上位者の精神世界です。アメンドーズは、その手で現実世界の主人公を掴み、精神世界(悪夢)へと引きずり込みます。

 現実世界と精神世界を接続する「運び屋」として機能しているのです。人間に悪夢を見せる存在とも言えます。

 「血に酔った狩人の瞳」を持つ主人公を、DLCの世界(狩人の悪夢)へ運んでくれるのも、聖堂街にいるアメンドーズでした。

ロマとアメンドーズ

 アメンドーズが隠していたもの、そして明かしたものはもう一つあります。

 象徴的な意味合いですが、それは「アメンドーズ自身」です。

 ロマの討伐前、そして啓蒙の低い状態では、アメンドーズの姿を見ることはできません。

 しかし、ロマが倒されて認知フィルタが消えると、アメンドーズは突如として、ヤーナム中で視認できるようになります。

 彼らは後からやって来たのではありません。最初から「そこに居た」のです。しかし、啓蒙が低いがために見ることができませんでした。

 赤い月を隠していた雲(蜘蛛)を払ったら、蜘蛛(ロマ)の秘匿が破られて、蜘蛛(アメンドーズ)が出てきたというのは、言葉遊びのようなものでしょうか。

 つづく。

 注
 この記事は個人の考察であり、フロムソフトウェア社の見解ではありません。
 内容の正確性を保証するものではなく、作品をより楽しむための娯楽的推測であることをご了承ください。

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