デミゴッド
作中には「デミゴッド」と呼ばれる強敵が登場します。
直訳すると「半神」ですが、これだと誤解しかねないので、「神の子」と理解した方がよいかもしれません。
なぜなら、デミゴッドは基本的に、律を構想する能力がないからです。デミゴッドの一部だけが、神人たる資格を有します。
また、偉大なボスである一方、狭間の地を統一するほどの武力は持ちません。
デミゴッドたちは、破砕戦争という泥仕合をして、勝者なく終わっています。ハイライトはエオニアの戦い、ラダーンとマレニアの相討ちでした。
つまり、彼らは神でも王でもないのです。
その実態は、諸侯や地方領主に近いと言えるでしょう。

マリカはエルデンリングを破砕して、神の子たちにこう言い放ちました。
マリカ
・デミゴッド、我が愛し子たちよ。
お前たちはもう、何者にもなれる。王であれ、神であれ。
そして、何者にもなれぬ時、お前たちは見棄てられる。
…そして贄となるのだ。
子供たちは潰し合いをしましたが、誰も王になることができません。
「王になれる者はいないのか?」ということで、次に登場するのが主人公を含む褪せ人たちです。
オープニング
・マリカの子たるデミゴッドたちは、エルデンリングの破片を得、
その力に歪み、狂い、破砕戦争を起こし…、
王なき戦いの末に、大いなる意志に見放された。
何者にもなれなかったデミゴッドたちは、マリカの言葉どおり贄として、褪せ人に各個撃破されていきます。

二本指と影従の獣
神と王を取り上げたついでに、「二本指」と「影従の獣」に触れておきましょう。
神という名は、世界の頂点かのような印象を受けますが、実は上位者的な存在の「大いなる意志」の傀儡でしかありません。
この大いなる意志は、作中で姿を現すことはなく、外界から介入してくる存在として描かれています。
神マリカは、言うなれば、大いなる意志の手駒のようなものでした。
大いなる意志は、次のセットで狭間の地を支配しようと目論んでいます。
・二本指
・神
・影従の獣
二本指
二本指は、大いなる意志の使いとされていますが、実際は通信媒体のような存在です。
大いなる意志は、二本指を通じてメッセージを届けます。
しかし、そのメッセージは、普通の人間には理解できません。そこで「指読み」という、メッセージを翻訳する老婆が付属します。
褪せ人の円卓にも、二本指と指読み婆エンヤがいますが、二本指はこの一体だけではありません。狭間の地の各地に、複数体が存在しています。
円卓で初めてそれを目にした時、「本当に二本指じゃん…!」と驚いた方は多いでしょう。あだ名か何かと思いきや、巨大な二本指なのです。

指読みのエンヤ
・あんた、新しい褪せ人だね? よく来たね。私は指読みのエンヤ。
大いなる意志の使い、指様の言葉を伝える婆さね。
見てごらん、指様が震えている。大ルーンの主たる、あんたを歓迎しているのさ。
…さあ、指様の言葉を聞くがいい。
偉大なるエルデンリングは、黄金の律。
それは世界を律し、生命は祝福と幸福を謳歌する。
だが、それは砕かれてしまった。律の砕けは、許されぬ大過。
それは当然の報いをもたらし…、今や世界は、生命は、どうしようもなく壊れている。
呪いと不幸が蔓延っているのだ。
だが、大いなる意志は、世界と生命を見捨てない。
お主たち褪せ人に、祝福の導きをもたらし、使命を与えたのだ。
褪せ人よ、お主の持つ大ルーンは、エルデンリングの大欠片。
それを、もうひとつ手に入れよ。そしてエルデの王となり、黄金の律を修復するのだ。
…指様の言葉を、忘れるでないぞ。
性急な回復
・巫女たちは、二本指に仕えている。
褪せ人に祝福の導きをもたらした、大いなる意志の使いに。
二本指は、大いなる意志の使いとされています。
そして巫女たちは、二本指に仕える存在という位置づけになっています。
神は、頂点であるかのような名前とは裏腹に、実際は大いなる意志の使いである、二本指に逆らえない傀儡でしかありません。
影従の獣
影従の獣は、二本指が神(または神人)に与える協力者、兼監視役です。
神マリカには、影従マリケスが与えられました。黒き剣のマリケスは、マリカの義弟です。
神人ラニには、影従ブライヴが与えられました。半狼のブライヴもまた、ラニの義弟です。

影従の獣は、普段は最側近として主に尽くしますが、主が大いなる意志に反逆した場合、一転してこれを殺すように呪いをかけられています。
その意味では、上位者側の存在と言えるでしょう。
実際、神人ラニは終盤に反逆を企てました。ノクローンの秘宝「指殺しの刃」をもって、二本指の殺害を試みます。
この時、ラニに忠誠を尽くすブライヴは、自分の意志や希望とは関係なく、呪いの発動によって正気を失うことになりました。
ラニ
・私が二本指を拒んだ時、それでもブライヴは、私の味方でいてくれた。
フフッ、神人たる私の、特別な従者であるというのに。
二本指にしてみれば、とんだ出来損ないだったろうな。
軍師イジー
・ブライヴは、二本指がラニ様に与えた従者。決して裏切ることない影。
だが、ラニ様が神人として、二本指の傀儡たるを拒んだ時、影は狂い、ラニ様にとって恐ろしい呪いとなるのです。
…それは運命。ブライヴの意志など、何の意味も持たないでしょう。
苦しいことですが、封じておくしかないのです。ラニ様のために。
ラニとイジーは、影獣にかけられた呪いを理解していました。
故に終盤、イジーはブライヴを封牢に閉じ込めるという、一見すると仲間割れに思える行動をします。

半狼のブライヴ
・俺だ、ブライヴだ。…イジ爺に嵌められたんだ。俺がラニの災いになると。
だが、そんなことのあろうはずはない。俺はラニの影従、欠けることのない一部。
イジ爺も、そうと知っているだろうに…。
正直、わけが分からないんだ。
ラニはこの呪いを知っていながら、自分に忠誠を誓う義弟を最後まで愛しました。
ラニ
・見事な戦いだった。感謝する。手間をかけさせてしまったな。
だが、これでやっと、あやつに至れる。
…お別れだな、お前。ブライヴとイジーに、伝えてくれ。…愛していると。
マレニアの特異性
興味深いのはマレニアです。
腐敗を宿して生まれた彼女は、神人の資格がありながら、その「腐敗の律」を世界の理にしようと考えていません。
兄ミケラの守護者であることを望み、「ミケラの刃」を名乗り続けました。
マレニアは腐敗を宿痾と捉えて、拒んでいたようです。戦闘で追い詰められると、やむなく腐敗の力を解放しますが、普段はそれを抑え込んでいます。
ミケラも妹の腐敗を癒したいがために、黄金律を見限るという決心をしています。

賢者ゴーリーのように、腐敗の律を期待する者もいましたが、マレニア自身にその気はなかったようです。
賢者ゴーリー
・マレニア様は、女王マリカと王配ラダゴンの間に、双子のデミゴッドとして産まれました。
生まれながらに朱い腐敗を宿した、神人として。
神人とは、通常のデミゴッドとは異なる存在。
エルデンリング、即ち女王マリカの時代が終わった時、神となり、新しい律を掲げるべく、尊く生まれ落ちているのです。
マレニア様とラダーンが戦い、エオニアに朱い大花が咲き誇った日から、私は魅せられているのですよ。
マレニア様と、その艶めかしい腐敗の律に。爛熟輪廻の理にね…。
この双子には、神人でありながら影従の獣がなく、少なくとも作中では登場しません。代わりに、マレニアがミケラを守護しています。
注
この記事は個人の考察であり、フロムソフトウェア社の見解ではありません。
内容の正確性を保証するものではなく、作品をより楽しむための娯楽的推測であることをご了承ください。
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