創世の真実
フォドラの表向きの歴史には、多くの嘘が含まれており、たとえばガルグ・マク書庫にある「セイロスの書 創世記」などは、読むと逆に混乱してしまいます。
大司教レアも、普段は偏った発言をして紛らわしいのですが、死を意識した終盤は確からしい情報を提供します。
金鹿ルート「翠風の章」の22章から抜粋します。
レア
・…私は、もう長くはないようです。もう、何も隠すつもりはありません。
レア
・神祖が最後に生んだ眷属が、私です…。
古の時代、神祖は遥か遠いところから来て、この大地に降り立ちました。
自らの体を人に似た姿に造り替え、同時に自らの血を分けて、眷属を生み出しました。
神祖は眷属と共に、地上の人々に知識と技を伝え、豊かな文明を築かせたそうです。
ですが…文明を得た人々は、神祖の教えに背き、無益な戦争を始めるようになります。
やがて人々は自らを神であると思い込み、あろうことか神祖に戦いを挑んだのです。
その戦いによって地上は焦土と化し、人々の大半が死滅しました。
その時に地上を捨て、いずこかに逃れた者の末裔が、闇に蠢く者たちなのだと思います。
神祖ソティスが遥か遠いところ、おそらくはダグザ大陸から来て、フォドラ大陸に降り立ち、「自らの体を人に似た姿に造り変え、同時に自らの血を分けて、眷属を生み出した」とあります。
神祖とその眷属は竜族です。レアが顕現した「白きもの」のような姿が、本来の形態でした。

それが人に似た姿になって、ナバテア人としてフォドラ大陸に棲むことになりました。
神祖は自らの血を分けて、21体の眷属を生み出しました。自身を含めて計22体の竜族(ナバテア人)です。これが22種の紋章と対応しています。
神祖は当初、フォドラの原住民だった地上の人々に、「知識と技を伝え、豊かな文明を築かせた」とあります。
人々は文明を発展させて、現代のフォドラを凌ぐ高度な技術を得たようです。
しかし、富み栄えた人間は、やがて神祖の教えに背いて相争うようになります。人間同士が戦争しただけでなく、神を否定して神祖に戦いを挑みました。
神と人間の戦いによって「地上は焦土と化し、人々の大半が死滅した」とあります。
一部の者が地下に逃げ込み、そこにアガルタという地下文明を築きました。その末裔が「闇に蠢く者たち」だとされています。
神祖や眷属側は「闇に蠢く者たち」と呼びますが、彼らは自らを「アガルタ人」と呼びます。
アガルタ人は逆に、神祖ソティスやその眷属であるナバテア人を「神ならざるもの」と蔑んでいます。
レアの発言が事実だとすれば、神祖は外来の神であり、当初は原住のアガルタ人と友好な関係を築いたけれど、やがて決裂して争い、彼らを地下へ追いやったことになります。

世界破滅伝奇
ガルグ・マクの地下アビスには、教会が禁書と指定した本があります。教会にとって都合の悪い情報は、真実に近いのかもしれません。
その中の一つ「世界破滅伝奇」には、興味深いことが記されています。
上記のレアの発言がナバテア視点だったのに対して、こちらは貴重なアガルタ視点です。
世界破滅伝奇
・古の神が住まいいしはずの地ティニスにて、ついに神ならざるものが目覚める。
異形の巨躯が、世界を水の底に沈めるために蘇る。
すべての人の子らに滅びを。
すべての獣、すべての鳥、すべての魚に救いを。
命の血を流しすぎた人の子らに、報復を。
世界が水の底に沈む前に、神ならざるものを討つ。そのために人の子らは光の柱を地に立てた。
ティニスも、マールスも、セプテンも、リウムも、すべてが破壊し尽くされ、大地が消えた。それでも神ならざるものは立っていた。
絶望という名の洪水が、世界を覆った。
人の子らは地の底へと逃げた。神ならざるものの目の届かぬところへ。
太陽の光の届かぬところへ。絶望の水が入り込まぬ所へ。
やがて獣の支配する地上への、神ならざるものへの復讐を誓って。
この情報は、初見だと意味がよく分かりません。
次の二つの語句を読み替えると、ぐんと理解しやすくなります。
・神ならざるもの=ソティス
・人の子ら=アガルタ
ソティスは、竜族(ナバテア人)の歴史では神祖ですが、アガルタ視点で見れば偽りの神です。祖国を奪った憎き外来の神になります。

世界破滅伝奇の内容を、読み替えた上で改めて見てみましょう。
世界破滅伝奇 読み替え
・古の神が住まいいしはずの地ティニスにて、ついにソティスが目覚める。
異形の巨躯(※おそらく竜に顕現した神祖)が、世界を水の底に沈めるために蘇る。
すべてのアガルタに滅びを。
すべての獣、すべての鳥、すべての魚に救いを。
命の血を流しすぎたアガルタに、報復を。
世界が水の底に沈む前に、ソティスを討つ。そのためにアガルタは光の柱を地に立てた。
ティニスも、マールスも、セプテンも、リウムも、すべてが破壊し尽くされ、大地が消えた。それでもソティスは立っていた。
絶望という名の洪水が、世界を覆った。
アガルタは地の底へと逃げた。ソティスの目の届かぬところへ。
太陽の光の届かぬところへ。絶望の水が入り込まぬ所へ。
やがて獣(※竜族ナバテア人)の支配する地上への、ソティスへの復讐を誓って。
これでだいぶ意味を理解しやすくなりました。
この伝奇は、ソティスとアガルタ人の戦いで、世界が破滅した経緯を語っているのです。
レアは「地上は焦土と化し、人々の大半が死滅した」と、サラリと表現していましたが、ここにはより詳しい情報があります。
重要なのは次の点です。
・アガルタは「光の杭」を打ち込んだ。
・それは都市を破壊し尽くすほどの威力だったが、ソティスを倒すことはできなかった。
・ソティスは大洪水によって、アガルタ文明を滅ぼした。
・アガルタ人は、復讐を誓って地下へ逃げた。

これを踏まえれば、闇に蠢く者たちの首領・タレスの発言も理解できなくはありません。
タレス
・地下に潜み暮らすこと幾千年。
我らは、復讐の成就のみを念じて生きてきた…。
その憎き仇が、今、この地に自ら現れた。
となれば、我らのなすべきはただ一つ…!
滅せよ! 高慢な女神に連なる者どもを、未来永劫、人の世から葬り去るのだ!
タレス
・現れたか、凶星…いや、ソティスの現身よ…。
貴様の血、アガルタの宿願のために残らず捧げてもらおう…!
タレス
・女神に尾を振る蒙昧な家畜どもめ…!
二度と陽の光を見られると思うな。
タレス
・その瞳、その髪、その耳、その血…我らはすべて記憶しておるぞ。
貴様らがいかにして我らを消し潰したか。
光を奪い、恒久の呪いをもたらしたか…!
アガルタの詛を…その身に受けよ!
光の杭
光の杭の威力は、私たちも目の当たりにしています。
「頑固な老将軍」の異名をとるメリセウス要塞を、瞬時に消滅させた恐るべき兵器です。我々の世界で言えば、核兵器に相当するイメージでしょう。
これを何発か打ち込んでも、ソティスを倒すことはできず、逆に大洪水によって一掃されてしまいました。
しかし、ソティスも無傷ではありませんでした。光の杭によるダメージと、大洪水を起こして力を使い果たしたことで、永い眠りにつくことになります。
レア
・神祖が荒れ果てた大地を再生させるには、気が遠くなるほどの時を要しましたが…
いつしか大地は穏やかさを取り戻し、使命を終えた神祖は聖墓で永い眠りにつきました。
そして残された眷属はザナドに集落を築き、聖墓を守りながら静かに暮らしました……。
大洪水はアガルタ文明をすべて流し去り、自然の状態に戻しました。
文明や戦争によって汚染された地は、「気が遠くなるほどの時」を経て再生されて、現在に至っているようです。
レアの発言によれば、ソティスは大地を再生させてから眠りについたとありますが、実際は消耗し切って眠っている間に、水と時間が自然を復活させたのでしょう。
つづく。
注
この記事は個人の考察であり、任天堂及びインテリジェントシステムズ社の見解ではありません。
内容の正確性を保証するものではなく、作品をより楽しむための娯楽的推測であることをご了承ください。
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