万紫千紅考察 マリアはどこへ消えた? (1)

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マリアはどこへ消えた?

消息を絶つ

 ダグザ帝国には、「ミトラス修道会」という暗部組織があります

 この組織は建前上、ダグザ大帝直属の研究機関として発足した、錬金術師の秘密結社であるとされています。

 しかし、錬金術と言っても、人々を処刑してフラーマを抽出していただけ。

 その実態はバロールの復活を企図する、バロールの娘たちの隠れ蓑でした。獅子身中の虫として、帝国の内部を乱していきます。

 ミトラス修道会は、ラクシャ導師を筆頭に、イリアナとマリア、そして四方正門が幹部として登場しますが、その多くが不自然に消息を絶っており、クリア後もモヤモヤ感が残ります。

 そこで今回はその内の一人、マリアについて考えてみます。

いつの間にか親殺し

 マリアは、どこかでボスとして登場するだろうと、多くの方は予想したでしょう。

 その通りの結果になりましたが、登場の仕方が少し意外でした。いつの間にか死んでおり、召喚された冥界兵として現れたのです。

 それも吟遊詩人コーエンの部下のような立場であり、大した台詞も与えられていません。

 第1部における黒幕感はすっかり消えており、不完全燃焼な最期を遂げることになりますが、それでも一切消息を絶った(ように見える)姉のイリアナよりはマシでした。
 
 このマリアは、一体いつ、どのようにして死んだのでしょうか?

 詳細は不明ながら、大まかには答えがありました。おそらくは偶発的に、息子のタリムーンに殺されていたのです。

素敵な再会

冒険王ヴァンダル

 まずタリムーンが、マリアの息子であることから確認しましょう。

リンド
・…私は、英雄アラゴとジュラの間の不義の子として生まれた。

タリムーン
・要するに、俺様とあんたは従兄弟同士ってとこか。
 その上、あんたにも乱暴に計算して、4分の3ほど神様の血が混じってるときた。

 リンドの発言が衝撃ですが、ここでは飛ばしてタリムーンの方に注目します。

 上記によれば、タリムーンとリンドは従兄弟であり、二人とも4分の3神であるとされています。

 父親は冒険王ヴァンダルであることが、経歴に明記されています。

タリムーン
・875年 冒険王ヴァンダルの息子として誕生する。

 第1部の時点で574歳になります。ヴァンダル商会の筆頭総支配人であり、本人に言わせれば「ダグザいちの金持ち」とのこと。

 英雄アラゴと冒険王ヴァンダルは、ダグザ大帝の子ですから、その息子たちは従兄弟の関係になります。

 ただし、この二人は大帝の正妻・ジュラではなく、人間の女が生んだ半神でした。

 マリアはバロールの娘、つまり神(ナバテアの純血)なので、神マリアと半神ヴァンダルの間に生まれたタリムーンは、4分の3神ということになります。

こんなふざけた男

 マリアはヴァンダルの子を産みましたが、しかし二人の関係は冷え切っていました。

 彼女は出産を後悔しており、我が子に愛情を持っていないばかりか、逆恨みの対象になっています。

マリア
・どうして…? この呪歌を聞きながら、なぜ動けるというの…
 まさか、お前は…。そう言えば、確かに面影がある…。
 思い出したくもない、あの男(※ヴァンダル)の。

タリムーン
・ほう? 妙な話だな。
 こっちはあんたの事は覚えはないんだが、そっちは違うらしい。

マリア
・ええ…完全に思い出したわ。お前は…私の手で絶対に殺す!

タリムーン
・な…なんだよ、一体。わからねえな。
 俺様は、いつの間にあんたからそんなに恨まれたんだ?

 タリムーンに、マリアの呪歌が通じなかったのは、彼にバロールの血が流れているからです。

 マリアと同じ魂魄の天冠(ゴーティエの紋章)を持つタリムーンは、呪歌やドレイクの財宝に耐性があったのでした。

 彼は呪歌に平然としていたばかりか、ドレイクの財宝・ダバの羅針盤を使用しても、内なる声が一切聞こえません。心の浸食に苦しんだセオドラやレダとは対照的です。

タリムーン
・ドレイクの財宝は強力な力を持っているが、使っている者は次第に心が蝕まれる。
 症状が進むと、ドレイクの財宝から声が聞こえてくるんだそうだ。

 一応言うと、俺はまだ聞いたことがないがね。
 この世のすべてを憎む歌のようなものだとか。

オリンピア
・あなた…この呪歌を聞いて、何ともないように見えますけど…

タリムーン
・あー? そう言えばそうだな。なんでだろうな。

マリア
・…! やはり、この男には私の呪歌の効き目が弱いようね…
 よりによって、こんなふざけた男が、私の…!

 数百年ぶりに再会した母と子の会話には思えません。

 タリムーンが笑えるほど気の毒ですが、冒険王ヴァンダルは一体何をしたのだろうと、逆に興味をそそられてしまいます。女体の冒険が過ぎたのでしょうか。

タリムーン
・うちの母親も、実はものすごいビウエラの名手だったらしくてね。

 言うまでもなく、マリアは乾坤の奏者。吟遊詩人コーエンと同じく、伝説的なビウエラの弾き手です。

まさかの親戚

 ヴァンダルの系譜には、意外な人物がいました。それはアラゴの双璧と称される、碧髪の剣士キリークです。

 彼は加入が第2部と遅いにも関わらず、すぐにスタメンを張れる優秀な男でした。

 キリークの、あの飄々とした言動は、言われてみればタリムーンに似ていなくもありません。後日談によれば、死ぬ間際まで軽口を叩いていたそうです。

キリーク
・貴公は「乾坤の奏者」の伝説を耳にしたことはないか?
 伝説の吟遊詩人コーエンと並び称される奏者で、聴く者すべてを魅了したのだそうだ。
 そして…その人物が、冒険王ヴァンダルの最後の妻だったと言われている。
 その女は、確か名をマリアといったそうだが…

ネイサン
・詳しいな。何故お前がそんなことを知っている?

キリーク
・俺の家の祖先を辿ると、ヴァンダルの家の傍流にあたるのさ。
 そこで語り継がれている。

 マリアはその美貌とビウエラの腕前をもって、マルティラという偽名を使って、アラゴ王国の中枢に取り入りました。

 ハスドルバル王の側室になり、宰相までのぼり詰めた後、邪魔になった国王を暗殺して、後継のギルキルスを傀儡にしています。

 その際に起きた悲劇が、レダの運命を変えたシドニア事変と、将軍ベルトランの不当処断でしたが、ここでは割愛します。

キリーク
・噂によれば、アマルフリーダ家の前当主であるガーランド殿も、それ(※ビウエラの腕前)に惚れ込んでマルティラ(※マリア)殿を自分の家に入れたらしい。

 それが、あれよという間に国王の側室となり、宰相の地位までも手に入れてしまった。
 数々の政敵を追い落とし、今や彼女がこの国のすべてを牛耳っている。

ネイサン
・宰相マルティラ、調べれば調べる程、素性が知れない女だ。
 彼女の経歴は、すべて完全な詐称だ。ある地点から以前の情報がまったく辿れなくなる。
 我々は…なぜこの女の命令に従っているのだ?

キリーク
・素性が解らぬ相手に対しては、さすがの貴公でも忠が揺らぐということか?
 ハスドルバル前王が宰相に命じたからだろう?
 その上、ギルキルス王からの信頼も篤い。

ネイサン
・そこが、俺はどうも引っかかっている。
 例えば…ハスドルバル王が死んで、もっとも得をしたのは誰だ…?

 つづく。

 注
 この記事は個人の考察であり、任天堂及びインテリジェントシステムズ社の見解ではありません。
 内容の正確性を保証するものではなく、作品をより楽しむための娯楽的推測であることをご了承ください。

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