賢人カタリナは何を見た?
地下の遭遇戦
心核関連のエピソードで、もう一つ面白い場面があります。
大規模地下構造、賢人カタリナにおいて、ディートリヒ勢がアナトリア勢と遭遇戦になった時です。
古代のアガルタは、現代を遥かに超える、極めて高度な文明を有していました。
しかし、大厄災で地上を追われることになり、アガルタは宇宙と地下に逃れていきます。
ダグザの各地にある大規模地下構造は、遥か昔にアガルタが構築したネットワークでした。
カタリナはその一つであり、人工知能の疑似人格として、過去に存在したカタリナという修道女の性格が設定されています。
アナトリアの銃弾が、ディートリヒを直撃しようとした寸前、イシュマールが割って入って防御しました。その際のやり取りを見てください。

アナトリア
・カタリナ、あれ(※イシュマール)は敵性勢力(※ディートリヒ勢)の増援です。排除してください。
賢人カタリナ
・攻撃要請を拒否します。
アナトリア
・なぜですか!?
これはヴリトラ(※アガルタの司令)に与する者ではないというのですか?
ロン老師
・これはいったい誰だ?
ヴリトラでないならば、コンロンに属する者なのか?
だが、こんな者の存在を…私はゼノンから聞かされたことはない。
まさか…これが調停者シュキオンなのでは…?
コンロンの里を裏切り、何処かに逃亡した2人目の調停者の…だが…
わからん…もしかすると…
いや、何か違和感がある。何かがおかしい。
なぜ攻撃しない?

アナトリアは、イシュマールを「敵の増援」と見なして、賢人カタリナに攻撃要請しますが、カタリナはこれを拒否しました。
コンロンの一派も困惑していますが、私たちも1週目ではよく分かりません。
なぜ賢人カタリナは、イシュマールを攻撃しなかった、つまり敵とみなさなかったのでしょうか?
それはイシュマールの体内に、ゼノンの心核があったからです。
言うまでもなく、ゼノンはコンロンの里の長。アナトリアにとっては、親に近い存在とも言えます。
賢人カタリナは、イシュマールからゼノンの心核を検知したため、敵のアガルタ側ではなく、味方のコンロン側と判断したわけです。

製造されたばかりのアナトリアはともかく、ロン老師まで困惑していますが、それも仕方のないことでしょう。
なぜなら、この時点でイシュマールは製造されておらず、未来からやって来た存在だからです。
その次、調停者シュキオンについて言及している点が興味深いのですが、ここでは飛ばして別の機会に扱うとしましょう。
なお、コンロンは元アガルタである、第18番艦ジョカの乗組員の末裔です。
アガルタの異端とも、あるいは脱走集団とも言えます。アガルタとは敵対関係にあり、その総帥に当たるヴリトラを嫌悪しています。
他人を乗っ取ろう
エピメニウム
心核に関わる重要な素材として、「エピメニウム」という金属があります。人間の精神に作用するという設定になっています。
これは物語上はセオドラ編において、封環鎖を作成する際の素材集めで登場しました。

封環鎖は、マハマドゥの槍による心の浸食を抑えるための道具です。
最初トロイアがセオドラに与えましたが、それが途中で壊れてしまい、新しい封環鎖を製造するために、ロン老師に案内されて、コンロンの里を訪れることになりました。
ゼノン
・なるほど、封環鎖が必要なのか。材料さえ揃えば用意することは可能だ。
だが、それには特殊な素材を探し出す必要がある。
エピメニウムという特殊な金属だ。
人間の精神に干渉する不思議な特性がある。
プレイ上はそれだけの存在なのですが、これは風花雪月以来の謎を解き明かす、実は貴重な情報なのでした。

風花雪月に登場したアガルタには、次の二つの特徴がありました。
・人間とは思えないほど寿命が長い。
・他人を乗っ取る能力がある。
この二つはそれぞれ謎だったのですが、今回の万紫千紅で両方とも明らかになりました。
1点目の長寿命は、先に説明した通り、心核による恩恵の一つでした。
そして、2点目の乗っ取りを可能としたのが、ここで扱うエピメニウムだったのです。
ファビオはただの器
偉大なる石標(グラン・メガリス)のライブラリによれば、エピメニウムは「人間の精神波に共鳴、同調する特殊な性質を持つ」とされます。
そして、これを発明した科学者エピメニデスは、「自らの魂を何らかの形で外部に保存するための方法」を研究していたとあります。
つまり、エピメニウムで他人の精神に干渉し、自分の魂を移すことにより、その体を乗っ取っていたというわけです。
万紫千紅の登場人物では、ファビオがこれをやっています。
アナカルシスという本体が、ファビオという人間の体を乗っ取っていました。
ファビオ
・そう、ファビオという名は偽りのものです。
ただ単なる偽名ではありません。この体の本来の名です。
ディートリヒ
・…? どういう意味だ?
ファビオ
・この体はただの器。この姿も名も他人から奪った借り物のようなものです。
特に思い入れはありません。
都合がいいというだけの実務的なものです。

ファビオ
・ディートリヒ、もしも貴方が望むのであれば…
私は美しい女性の姿になることも可能です。
貴方の隣にあっても、月のように輝けるような。
もっとも、それなりの美しさを持った者を見繕い、肉体を奪い取る必要はありますが。
ファビオ
・闇に伏し、器を渡り歩いた果てに、私は出会えた…ディートリヒに。
まさかの友情出演
ファビオ以外では、ディートリヒ編に友情出演するミュソンとクレオブレスがいます。
この二人もアガルタの幹部であり、風化雪月においては、フォドラの世界を暗躍することになります。
特にクレオブレスは性格が悪く、ファーガス神聖王国の宰相コルネリアに擬態して、悪政の限りを尽くしました。
ファビオは、クレオブレスは「人格に問題がある」と指摘しています。
とうことは、彼はやはり常識的な人物なのでしょう。

なお、アガルタ幹部は皆、ギリシャの賢人から名前を拝借しています。古代文明という繋がりで、ギリシャに因んでいるようです。
ファビオ
・はい。EX-477及びティアマトについて、調査のための人員の派遣を要請します。
…何ですって? 派遣されるのは彼らだと?
いえ、ミュソンに関しては異論ありません。しかし、クレオブレスは人格に問題が…
わかりました。個人的には不安ですが、貴方(※ヴリトラ)の判断に私は異を唱える立場にはありません。
一応、偉大なる石標(グラン・メガリス)のライブラリ情報を、資料として載せておきます。やや硬い文章なので、読み飛ばしていただいても大丈夫です。
偉大なる石標
エピメニウム
・科学者エピメニデスによって発見された新元素に、特殊処理を施した結果得られる粉末合金で、その最大の特徴は人間の精神波に共鳴、同調する特殊な性質を持つ部分であり、これもエーテル物理学の一つの成果であると言える。
発見者の名前からエピメニウムと名付けられた。
エピメニデスが何を契機として、この画期的な素材の着想を得たかは明らかにされていない。
推測の域を出ない一説として、エピメニデスは自らの持つあらゆる情報を、永遠に保存する方法を研究していたとされ、この物質はその成果の一つではないかというものがある。
また、賢人カタリナにより提出された彼女独自の視点による見解として、エピメニデスは自らの魂を何らかの形で外部に保存するための方法を研究しており、エピメニウムはその成果物だったのではないか、という興味深い推測が記録に残されている。
第3世代 エピメニウム搭載型
アガルタの心核は、技術革新を重ねて実用化に至ったらしく、第3世代型まで進化して、その後に大厄災で途絶えました。
最初期型は「街一つ程度の大きさ」という巨大なものでしたが、小型化を重ねて、人体に搭載できるサイズまで改良したようです。
小型化した心核に、先述のエピメニウムを融合したのが「第3世代型」で、これが最新モデルになります。
したがって、この第3世代型を持つ者は、長寿命であることに加えて、他人の体を乗っ取る能力があるということになります。

偉大なる石標(グラン・メガリス)のライブラリ情報を、資料として載せておきましょう。
偉大なる石標
心核 (2)
・心核炉は、その製造時期ごとに使用されている技術や特徴が大きく異なるため、比較的容易に世代として分類することが可能である。
最初期型
高次元縮退炉の基礎理論の実証を行っていた最初期は、街一つ程度の大きさとなっていた。
データを採取後に再設計と最適化が行われた結果、先行試作型では車輪一つ程度の大きさと、圧倒的なまでの小型化に成功している。
第1世代型
従来比で大幅な小型化と、安定した量産技術が確立された。
発展型である第1.5世代型では更なる小型化に成功し、ついに人体への搭載が可能となる。
そこで示された未知なる可能性により、研究は新しい段階に踏み込むことになる。
第2世代型
従来よりも飛躍的な機能向上を遂げる。
最大出力も大幅に増加した上、機械的寿命も桁違いに延長されることとなった。
蛇の計画(※ウロボロス計画)により宇宙に出ることとなった前期の船乗りたちの多くに、実際に搭載されたのはこの型である。
第3世代型
画期的な新元素を用いて合成された精神感応素材「エピメニウム」を積極利用することで、使用者との高度な意識的接続を実現し、潜在能力を飛躍的に高めた型。
当初は不安定さもあったが、後に改良が重ねられて、最終的に高い安定性を獲得する。
万紫千紅に登場する人物には、第2世代~第3世代の心核が搭載されているようです。
ヴリトラの提案
最後に、心核が発明された経緯について触れておきます。
偉大なる石標(グラン・メガリス)によれば、心核という構想は、元々はヴリトラの提案だったとされています。
前述の通り、アガルタの英知たる心核は、仇敵ナバテアの心臓を模して造られました。言わば、人に与える「神の心臓」です。
両方とも、内部に「超空間」があり、膨大な熱エネルギーを蓄えているという設定になっています。
偉大なる石標
ヴリトラ (2)
・人間の肉体に外科的手法により心核を後天的に搭載し、その機能を補助するという構想は、もともとはヴリトラからの提案に端を発している。
これは、奇しくも自らを神と名乗る異星体(※神祖ソティス)を祖とするものたち(※ナバテアの民)の肉体構造と類似していることが、これまでの調査により判明している。
注
この記事は個人の考察であり、任天堂及びインテリジェントシステムズ社の見解ではありません。
内容の正確性を保証するものではなく、作品をより楽しむための娯楽的推測であることをご了承ください。
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