大釜の損壊
光の杭を恐れて、白き卵の民狩りを続けたダグザ大帝は、しかし帝国歴932年に大きなしっぺ返しを食らうことになります。
調停者をダグザの大釜で処刑したことで、その者が持つ心核が暴発して、大釜が損壊してしまったのです。
これによって、フラーマの供給を絶たれたダグザ大帝は、急速に体調を崩して乱心していきます。

ソレル
・帝国歴 932年、とある人間をダクザの大釜で処刑した際に、誰も予期しなかった事が起こった。
内側から正体不明の力場が広がり、大釜全体を激しく損傷させてしまったのだという。
その時の目撃者の証言によれば、正体不明の闇のような力が広がった…と。
白き卵の民の中には、ごくわずかに特別な心臓(※心核)を持った者が存在したと聞いたことがある。
そういった者を大釜に入れてしまった結果、破壊が引き起こされたのではないだろうか。
それ以後、フラーマの供給を断たれた不安からか、父上の精神は目に見えて安定を欠いていった。
父上は即座にラクシャ導師にダグザの大釜の修復を命じたそうだ。
その時、年間産出量の50年分にも及ぶ、膨大な量のオリハルコンが必要と試算された。
そして、大帝からの勅命により、ダグシオンに修復のためのオリハルコンが集められていた。
その事件から8年後に父上は長い眠りにつき、私は神威法王として大帝の代行者となった。
それからすぐ、ラクシャ導師が行おうとしていた修復を中止させ、大釜を(※闘技場の)地下に封印した。
集められていたオリハルコンは、アークの制作に転用するよう、私が指示を出した。
「白き卵の民の中には、ごくわずかに特別な心臓を持った者」がいるとあります。この特別な心臓とは、アガルタの英知たる「心核」を指しています。
心核については、別記事で解説しましたので、そちらをご参照ください。
誰かは明示されていませんが、貴重な心核を持つのは、アガルタ関係の重要人物に限られます。素直に考えれば調停者でしょう。
調停者を処刑した結果、その者が持つ心核が暴発して、「正体不明の闇のような力が広がった」とあります。

闇の力と言えばアガルタ。闇魔法は彼らの代名詞です。
現存する心核は、すべてアガルタ製ですから、特別な心臓が暴発して闇の力が広がったという描写は、心核を指すと考えて間違いないでしょう。
ダグザ大帝は、白き卵の民を執拗に殺し続けた結果、大釜の破損によって、今度は自らを滅ぼすことになったのです。
もっとも、彼は既にフラーマ中毒に蝕まれて、正常な判断力を失っていましたが。
神族の修羅場
ジュラ
・あのお方(※ダグザ大帝)が変わったのは、フラーマを恒常的に摂取するようになってからです。
「ダグザの大釜」が完成し、フラーマを大量に摂取するようになってからというもの、ダグザ大帝は目に見えて変わっていきました。
フラーマは凄まじい力をもたらすだけでなく、あのお方の精神を着実に…蝕んでいたのです。
クレール
・フラーマは、人間の肉体と魂を溶かし、抽出される物体だ。
摂取したものは、力のほかに、他人の記憶や残留思念を身体に取り込むことになるんだ。
…そんなものを大量に摂取して、精神が絶えられる訳がないんだよ。
ジュラ
・500年ほど前、ダグザ大帝は一度正気を失い、世話係を皆殺しにしてしまったことがありました。
止めようとした私ですら殺されかけました。
そこに「赤き斧」を持ったソレルが現れました。
私たちは必死になって大帝を倒し、それを納めた棺を密かに封印したのです。
周囲にはダグザ大帝は長い眠りについたと説明し、ソレルがその代行者としての地位(※神威法王)につきました。

ソレルは「その事件(※大釜の損壊)から8年後に父上は長い眠りにつき」とあっさり言っていますが、これは相当な修羅場だったようです。
乱心したダグザ大帝は、妻のジュラさえも殺そうとしました。
そこに赤き斧を持ったソレルが現れて、家族で力を合わせてダグザ大帝を倒し、これを棺に封印したのです。
ソレルとしては、愛する妻ユ・ファスを略奪されたことの意趣返しもあったでしょう。
人間の昼ドラより、遥かにドロドロとした愛憎劇が、ダグザ神族にはありました。
トロイア、天晴れなり
トロイアはアグリス関において、当然のように光の杭を巨竜に直撃させましたが、これはやはり相当な離れ業だったようです。
調停者トロイアならではの、高度な技量だったのでしょう。

ゼノンは、コンロンが攻め落とされたフェザーンの戦いを、次のように述懐しています。
ゼノン
・当初、帝国軍はジョカ居住区の強固な外殻を突破することができず、膠着状態に陥った。
だが、一頭の巨大な竜(※空を暗く覆うもの=竜に顕現したダグザ大帝)が出現し、恐ろしいまでの力で外殻を破壊し、内部に帝国軍が雪崩れ込んできた時から、状況が一変してしまった。
数の不利は言うに及ばなかったが、我々はあの巨竜に対抗する術を持っていなかった。
アルテミス(※光の杭)ならば可能性があったかもしれないが、我々の頭上を飛翔する巨竜に対し、アルテミスを使うことは、自らに神の杖を振り下ろすのと同義であり、その時の私にはそれを命じる勇気はなかったのだ。
もしコンロンが光の杭を使えば、巨竜に顕現したダグザ大帝を撃退できたかもしれません。
しかし、その場にはトロイアのような存在、つまり精密に光の杭を操作して、飛翔する竜に当てる技量を持つ者がいなかったのです。
そのことが白き卵の民の不幸を決定づけてしまいました。
ライブラリ情報
偉大なる石標(グラン・メガリス)に、光の杭と大厄災に関するライブラリ情報があります。
少し長くなりますが、資料としてこれらを載せておきましょう。興味のある方だけご覧ください。
偉大なる石標
アルテミス
・アルテミス(※光の杭)とは、かつて打ち上げられた地上監視衛生のシリーズ名である。
最終的に全16基が打ち上げられており、それぞれが対地同期軌道上から地上の各所を監視している。
コンロンでは、第7地区の上空に位置する1基について制御を掌握することに成功している。
アルテミスシリーズは全基、超重金属弾を軌道上から射出し、重力による加速によって巨大な破壊力を得る攻撃機能を備えている。
大厄災の際に地表に表出した超巨大脅威生物(※神祖ソティス)に対し、これが実際に使用され、対象に対する物理攻撃の有効性を実証することとなった。
アルテミスに与えられたサファイア製の光学装置は当初、1,000年以上の使用を想定して設計されていたが、大厄災の際に地上から舞い上がった多量の塵の付着によって、その光学性能を大きく低下させてしまっており、現在では地上の監視能力の大部分が失われている。
大厄災後、ある船員は次のような皮肉を残した。
「アルテミスに与えられた瞳は、数千年の使用にも問題なく耐える設計だったのに、我々の犯した大きな間違いは、彼女に瞼をつけ忘れたことだ。
宇宙での掃除が容易でないことなど、少しでも頭を使えば誰にでも想像がついただろうに」

偉大なる石標
大厄災 (2)
・「それ(※神祖ソティス)」は当初、何なのか誰にもわからなかった。
建築物か生物か、そも、無機物か有機物か、なぜそこにあったかも、どの時代からあったものなのか何一つわからなかった。
サンプルの分析を進めていく過程で、どうやら珪素を主成分とした生命体の一部ということが判明した。
ヴリトラにより決定されたアルテミス(※光の杭)の「それ」に対する超重金属弾の攻撃は、結果から振り返る限り、完全な悪手だった。
攻撃は対象を破壊するどころか、完全に目覚めさせてしまったのだ。
そして、ついに起き上がったその全貌を見たとき、我々は絶望するしかなかったのだ。
「それ」は生物というにはあまりにも巨大な…まるで何かの冗談を見ているような代物だった。
どんな建物よりも、山よりも、いや、恒星間移民船であるウロボロス級よりも遥かに大きかった。
攻撃によって目覚めてしまった「それ」は、我々を完全に敵として認識したようだった。
それだけでは終わらなかった。
世界中に点在する古代の遺跡の中から巨大な生物(※神祖の眷属)が起き上がり、飛翔したのだ。
それらは伝説のドラゴンによく似た姿をしていた。
彼らはまるで「それ」に呼ばれたかのように、一箇所に集結すると、我々に対する攻撃を開始したのだった。
ヴリトラはそれらに対する攻撃を命令し、我々の持てるあらゆる兵器による攻撃が開始された。
だが、彼らの足を止めることすら出来ていない。
恐らくこれから数十日のうちに世界の大部分は焼き尽くされ、我々人類が地上に築き上げた文明は痕跡さえも失われる事となるのだ。
多くの同志たちと共に避難した大規模地下構造EX-017(※賢人フェルミ、通称シャンバラ)の一角でこの報告を書き残しながら、私は問わずにはいられない。
一体何故、このようなことになってしまったのか。
「それ」は何だったのか、どこから来たのか、そしてヴリトラが何故あれほど素早い判断で攻撃を命じたのか…

注
この記事は個人の考察であり、任天堂及びインテリジェントシステムズ社の見解ではありません。
内容の正確性を保証するものではなく、作品をより楽しむための娯楽的推測であることをご了承ください。
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