新天地ソロモン
ソロモンの地は、フォドラ大陸を欧州、ダグザ大陸を北アフリカに見立てれば、イスラエルと同じように海を隔てた場所にあります。
そして、ソロモンとは、古代イスラエルの王の名前。
作者はどうやら、白き卵の民をユダヤ人に重ねている節があります。
白一色の衣装を手放さず、頑なに守り続けるコンロンの様は、確かに教義にこだわるユダヤの姿に似ています。
差別を受けた歴史や、天才が多い点なども共通しています。
ダグシオン虜囚も、バビロン捕囚になぞらえているのかもしれません。
アナトリア
・港に停泊しているあの巨大な船(※トラファルガー号)は、サラミス王国の所有物だと聞きました。
1カ月だけでいいのです。
あの船を、僕に貸してもらえませんか?
(中略)
ダナン海の東にあるという、ソロモン古王国。
僕はそこへ行かねばなりません。
もしかすると、僕が求めているものの答えが、そこにあるかもしれないのです。

作中ではアナトリア外伝として、コンロンの民を脱出させるクエストがありますが、彼らは限界を迎えた隠れ里を捨てて、新天地ソロモンを目指したのです。
アナトリアの名前には、民族の希望が込められていました。
トロイア
・アナトリアか。そうかい、いい名前だね。古い古い言葉で「太陽が昇る土地」の意味さ。
その使命を見事に果たしたアナトリア。
彼女はいつの間にか、ソロモンの王になっており、その過程でロン老師は命を落としていますが、詳細は一切描かれていません。
コンロン一行の物語を見たいと思うファンは、私以外にも相当数いるのではないでしょうか。
チャクラの練気
七星核
・七星核とは、調停者アナトリアにのみ施された専用の設計で、全身7箇所の天柱(※チャクラ)位置に主星に見立てた心核と、従星に見立てた6基の小型コンデンサーを配置したものであり、かつてロクサーナ(※戦闘隊長)が提唱した理論がその元となっている。
七星核は、全身を巡る気の力を数倍に強化することを目的とするが、その自在な制御を完全に習得するためには長い修行が必要となる。
そして、もしも七星核を持った者が完全なる七星回旋の習得に至った場合、この奥義の新たなる扉が開くと予言されている。

七星回旋
・七星回旋とは、コンロンで独自に生み出された奥義であり、古来より伝わる気の概念に、西方より伝わる瑜伽(※ヨガ)の概念を組み合わせ、経絡及び自体の7箇所に点在する天柱(※チャクラ)に気を作用させることで、使用者の肉体の内向きに力をかけることができる強化術である。
白き卵の民の存亡を背負ったアナトリアには、最高スペックの「七星核」が与えられました。
これは貴重な心核だけでなく、心核を補佐・連携する6基の小型コンデンサーを追加したものです。アナトリア専用の特別設計とされています。
最も重要な第2チャクラ(丹田)に心核を置き、第1チャクラと第3~7チャクラに小型コンデンサーを配置しています。
7つのメインチャクラを利用することから、七星核という名が付いたようです。

発案した戦闘隊長ロクサーナによれば、伝統的な「気」の技術と、西方から伝わった「ヨガ」の概念を融合した、全身の経絡を連動させる理論とのこと。
これによって、ただでさえ強力な心核のエネルギーを、爆発的に増幅できるとされています。
ライブラリ情報を見る限り、「天柱」はチャクラを指しています。
ブレイズタイプが「天柱」なのは、心核を持つユニット、つまりイシュマールとアナトリアだけ。
この二人はチャクラの練気によって、心核が出力する力を体内で増幅し、ブレイズアーツとして放つという設定になっています。
ドレイクの財宝に匹敵する威力がありながら、内なる声に心を侵食されないという、優れたクリーンエネルギーでした。
ブレイズアーツの名前も、漢字ばかりでオリエント風味。アナトリアのテーマ曲にも、東アジアの響きがあります。
なお、ロクサーナ自身は、フェザーンの戦いで戦死しています。彼の理論は、約900年の時を経て実行されたわけです。
アナトリアというのは、余程の期待を背負った、コンロンの切札だったのでしょう。
そして、アナトリアのわずか数年後に、次はイシュマールを生むわけですから、18番艦ジョカは最終盤に偉大な仕事を成し遂げました。実は大変な功労者だったと言えます。
余談ですが、ジョカの名は古代中国の蛇神「女媧」に因んでいます。
女神女媧は、崩れ落ちた天を五色の石で補修して、世界と人類を救ったと伝わります。
アガルタの恒星間宇宙船は、すべて蛇神から名前を取っていますが、イシュマールを生む艦に「ジョカ」の名を配したのは、やはり意図的なものでしょう。
複数の型
調停者 (3)
・調停者が実際に製造される際は、すでに蛇(※恒星間宇宙船)が困難な事態に陥っている状況が想定されるため、あらゆる状況への対応可能性の向上を狙い、目的別に設計された複数の型が存在している。
ここでは、調停者の型の種類のうち、いくつかの代表的なものを例に挙げて解説を行う。
ユリシーズ型(省略)
イカロス型(省略)
ギュゲース型(省略)
アレイオン型(省略)
万紫千紅に登場した調停者は、皆シンプルな人型(ユリシーズ型)でしたが、中には水中で稼働できるタイプや、タイタニスのような馬力タイプなどもあるようです。
解決すべきトラブルの内容に応じて、目的別に製造されるとあります。
今後の関連作品において、調停者の派生タイプが登場するかもしれません。もし敵として立ちはだかったら、厄介な相手になることでしょう。
そういう物語を、作者が仕立てる可能性はあると思います。
なぜなら、風花雪月がナバテア視点だったのに対して、万紫千紅はその仇敵だったアガルタ寄りの視点になっているからです。
今後も視点が変わるとすれば、調停者と対立するストーリーはあり得るでしょう。
精緻に作り込まれた、この上質な世界観をもっと、様々な角度から語って欲しいところです。
調停者シュキオン
コンロンの裏切り者
調停者繋がりで、最後に裏切り者シュキオンに触れておきましょう。
シュキオンは、情報としてのみ語られ、本編に登場することはありません。
コンロンの里を裏切った、2代目の調停者とされています。トロイアの弟分ということになります。
ゼノン
・戦い(※フェザーンの戦い)の混乱の中で、気になる報告が混じっていた。
敵の中に、500年ほど前にジョカから失踪したシュキオンの姿があるのを見たというものだった。
まさか、調停者である彼が我々を裏切るようなことがあるなど、到底信じられないが…。
ロン老師
・これ(※イシュマール)はいったい誰だ?
ヴリトラでないならば、コンロンに属する者なのか?
だが、こんな者の存在を…私はゼノンから聞かされたことはない。
まさか…これが調停者シュキオンなのでは…?
コンロンの里を裏切り、何処かに逃亡した2人目の調停者の…だが…
わからん…もしかすると…
いや、何か違和感がある。何かがおかしい。

フェザーンの戦いは、白き卵の民の運命を決定づけた、彼らにとっては不幸な歴史です。
この戦いに敗れたことで、白き卵の民は10万もの同胞がダグシオン虜囚となり、ダグザの大釜で虐殺されました。
そのフェザーンの場に、調停者シュキオンの姿が見られたというのです。
フェザーンの防御壁を突破したのは、巨竜に顕現したダグザ大帝です。したがって、戦闘においてシュキオンが活躍したわけではありません。
それでは、隠れ里の場所を明かして、ダグザ帝国軍を呼び込んだのかと言えば、それもよく分かりません。
なぜなら、ダグザ帝国がコンロンの里を捕捉したのは、人工砂嵐による隠蔽が弱まったことが要因とされているからです。
偉大なる石標
フェザーンの戦い
・ダグザ帝国においてフェザーンの戦いと呼ばれる軍事衝突である。
ジョカは、ダグザ帝国に発見され、派遣された総数30万の軍団による苛烈な攻撃に晒される。
気候変動により周辺の砂漠の緑化が進行した結果、気候操作装置による人工砂嵐の目隠しが弱まったことが、我々が帝国に補足される要因となったことは疑いようがなかった。
このため、シュキオンの位置づけは曖昧です。
彼がどのような使命を背負って製造されたのか。なぜコンロンの同胞を裏切ったのか。フェザーンでどのような役割を演じたのか。そのすべてが闇の中なのです。
真実は釜の中に?
一つだけ、シュキオンが関係するかもしれない情報があります。
それは一見すると意外なものですが、次の発言を見てください。

ソレル
・帝国歴 932年、とある人間をダクザの大釜で処刑した際に、誰も予期しなかった事が起こった。
内側から正体不明の力場が広がり、大釜全体を激しく損傷させてしまったのだという。
その時の目撃者の証言によれば、正体不明の闇のような力が広がった…と。
白き卵の民の中には、ごくわずかに特別な心臓(※心核)を持った者が存在したと聞いたことがある。
そういった者を大釜に入れてしまった結果、破壊が引き起こされたのではないだろうか。
「闇のような力」とありますが、闇と言えばアガルタ。闇魔法は彼らの代名詞になっています。
また、「特別な心臓」とは、心核を指していると考えて間違いありません。
心核は、神(ナバテア)の心臓を模したアガルタの傑作であり、別記事で解説した通り、内部に超空間と強力な熱エネルギーを蓄えています。
これが爆発した場合、莫大なエネルギーが放出されることになります。
心核は、現在の技術では生産できない古代遺産であり、100基に満たない既存物を大事に使い回すしかありません。
貴重な心核を持つ者は、アガルタの幹部か、またはコンロン(元アガルタ)が生んだ調停者に限られます。
となれば、ダグザの大釜で処刑された人物は、相当に限定されることになります。

結論を言えば、この時に処刑された調停者は、シュキオンではないかと私は考えています。
仮にそうであるなら、爆発した心核がダグザの大釜を損壊して、フラーマを絶たれた大帝は急速に弱っていくのですから、結果的にはコンロンの復讐になりました。
しかし、これは飽くまで推測であり、裏付けになる明確なテキストはありません。
心核の恩恵によって、シュキオンの寿命は数千年と長くなります。
したがって、トロイアと同じように、1449年現在まで生きているはずですが、物語で姿を現すことはありません。
なお、裏切ったとされるフェザーンの戦い時点で、彼は少なくとも500歳を超えています。
作中で不自然に消えた調停者は、名前が出てきた者の中ではシュキオンだけです。
このため、言わば消去法的に、処刑されたのは彼である可能性がありますが、その真相は分かりません。
ダグザ大帝は白き卵の民を恐れて、執拗に殲滅しようとしていますから、シュキオンが狙われても不思議ないという事情はあります。
あるいは、次々と同胞が狩られることを嘆き、シュキオンが自爆覚悟で故意に捕まり、自ら大釜に入った可能性もゼロではないでしょう。
注
この記事は個人の考察であり、任天堂及びインテリジェントシステムズ社の見解ではありません。
内容の正確性を保証するものではなく、作品をより楽しむための娯楽的推測であることをご了承ください。
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