風花雪月考察 主人公は人造人間

主人公は人造人間 ブログ

人造人間

 主人公のベレトは人造人間です。

 大司教レアによる13番目の実験体として、神祖ソティスの心臓を埋め込まれました。

 聖者セイロスは竜族であり、数千年の寿命があります。

 オープニングを飾るタルティーン会戦は、帝国歴91年の出来事ですが、風花雪月の舞台となる帝国歴1180年~1185年においても、セイロスは生存しています。

 古代の戦いで勝利した聖者セイロスは、その後「レア」と名前を変えて、教会の大司教として登場します。

 容姿が似ている縁者ではなく、本人が生き続けているのです。

 なお、神祖ソティスの心臓である紋章石と、その骨から作られた天帝の剣は、タルティーン会戦で解放王ネメシスから奪還しました。

神祖の器

 セイロスの悲願は、母親である神祖ソティスを復活させることでした。

 そのために「神祖の器」となり得る人間に、紋章石(ソティスの心臓)を埋め込む人体実験を、秘密裏に重ねました。

 ベレトは13番目の実験体ですから、その前に12人に犠牲者がいたことになります。

 無論、これは教会でも禁忌とされる行為ですが、セイロスは母に会いたい一心でこれを犯し続けました。

セテス
・あの者は…神祖なのか?

レア
・あの者は…彼女の器。体の内に神祖の力を宿した者…。
 やがて器は力と一つになり、彼女が…神祖が地上へと戻られる。

セテス
・やはり君は禁忌を…!
 だが…後戻りは、できないか…。

 セイロスは、神祖の力を得ることで、フォドラ大陸を支配したかったわけではありません。

 彼女は純粋に、母に会いたかったようです。

 大司教である自分のことを「代理に過ぎぬ存在」と呼んでいます。

 フォドラの民を導くのは、飽くまで神祖であり、自身は当座の指導者だと認識していました。

レア
・あなた(※ベレト)はもう、自分が何者なのか気づき始めているはず。
 いえ…記憶を取り戻しつつある、と言ったほうが適切でしょうか。
 元々、私はあなたの代理に過ぎぬ存在。あなたが、フォドラの民を導くのです。

 セイロスという人物は、目的を達成するためには、手段を選ばない一面があります。

 時に非情な言動を見せますが、しかし支配者としては清廉だったようです。

 私欲に振り回されたり、暴君のように振る舞うことはありません。

 彼女が願うのはフォドラの安定であり、唯一見せた欲は「母に会いたい」だけでした。

13番目の実験体

 翠風の章(金鹿ルート)の終盤、余命が長くないと悟ったセイロスは、ベレト誕生の真実を語ります。

レア
・答えを聞く前に、あなたとの約束を果たしましょう。
 あなたの正体を、真実を、包み隠さずあなたに伝えます。

 あなたは…、私が造り上げた存在…。
 神祖の紋章石を体内に宿す者…。
 神祖を蘇らせるために私は、あなたの心臓に紋章石を…

 ベレト…ごめんなさい。
 たとえ禁忌を犯してでも…私は神祖に…母に会いたかった…。

レア
・母さえ復活すれば、私は自分が失ったものをすべて取り戻せると…そう思ったのです。
 私は人の体を造り、その体内に紋章石を埋め込むことで、母を蘇らせようとしました。

 苦心の末に作り上げた12番目の少女…
 彼女もまた、失敗でした。
 神祖の意識を宿さぬまま、彼女は成長し、セイロス騎士団の団長と恋に落ちました。

 やがて彼女は身ごもりましたが、母子ともに出産に耐えられなかった…。
 生まれた赤子は息をしておらず、彼女もまた、とても危険な状態でした。
 彼女は私に、自身の中にある神祖の紋章石を赤子に移すよう懇願しました。

 何もしなければ母子ともに命を落とすのみ。
 …私は、彼女の願いを受け入れました。
 そうして息を吹き返した赤子が…ベレト、あなたです。

 「12番目の少女」とは、ベレトの母シトリーです。

 シトリーは、セイロス騎士団の長ジェラルトと恋に落ちて、ベレトを懐胎しました。

 シトリーは出産に耐えることができず、母子ともに命の危険があったため、セイロスはシトリーの心臓として埋め込んだ紋章石(ソティスの心臓)を、ベレトに移植します。

 これによってシトリーは亡くなりましたが、ベレトは生き延びることができました。

 なお、シトリーとベレトの名前は、「ソロモン72柱」に因んでいます。

 ソロモン72柱は、17世紀頃に成立した魔術書ゴエティアに記された、72柱の悪魔・精霊です。

 古代イスラエルのソロモン王に使役されたと言われますが、その12番目がシトリー、13番目がベレトという名前でした。

 風花雪月では、神祖の器を造ろうとした12番目の実験体がシトリー、13番目の実験体がベレトです。

一体化

 ベレトが13番目にして初の成功例になれたのは、次の要因が重なってソティスの影響が強くなったからです。

・母シトリーが、神祖ソティスの心臓を体内に持っていたこと。
・さらに、その心臓を移植されたこと。
・父ジェラルトが、セイロス(ソティスの娘)の血を分け与えられたこと。

レア
・かつて、あなたの父…ジェラルトの命を、私の血の力で救ったことがあります。
 つまりあなたは、神祖の紋章石で生を得た母親と、私の血を与えたジェラルトの子。

 私には予感がありました。あなたならば、その体に神祖の意識を宿すだろうと。
 予感は当たりました。
 …なのに神祖は、その力のみをあなたに託して、消えた…。
 私の悲願は叶いませんでした…。

 ですが、私の前にはあなたが残った。
 神祖の力を継いだ、あなたが…
 ベレト、あなたの力で、神祖に代わってこのフォドラを…

 しかし、ソロンが「ザラスの禁呪」を使って、ベレトを闇に封じ込めた時、そこから脱出するために、ソティスはその力のすべてをベレトに託しました。

 これによって、ベレトを器にして復活するはずだったソティスは、ベレトと一体化することになります。

 ベレトがソティスの力を継ぐ形になったため、セイロスの悲願だった母との再会は叶いませんでした。

 それでもセイロスは、ベレトに対して深い愛情を見せます。

 以下は、ザラスの禁呪から生還したばかりのベレトが、教会で療養していた時の様子です。

レア
・大丈夫…何も心配は要りませんよ。
 あなたを傷つけようとする者は、ここにはいないのですから。

 今この時が、永遠に続けばいいのにと、少しだけ思ってしまう…。
 手繰り寄せられた時を共に紡ぎ、果てなき世を二人で織っていきたい…。

 …あなたの身に何が起こったのか、おおよそのことは聞いています。
 この姿…主より力を授けられたのですね?
 あなたが天帝の剣を手にしたその時から、私は、あなたがいつかこうして…
 フォドラを遍く照らす女神ソティスの力を、その身に宿すことを信じていました。

 あなたは、私の…
 …さあ、目を閉じて。このまま、もう少しお眠りなさい。

 セイロスという竜族の女性は、人間と同じで複雑な感情を持っており、禁忌の人体実験に手を染める一方で、その実験体を我が子のように愛してしまう二面性がありました。

灰色の悪魔

 気の毒なのはジェラルトです。

 ジェラルトは、出産に際して妻シトリーを失ったばかりか、セイロスからろくな説明を受けず、疑心暗鬼に陥ってしまいます。

 説明をするどころか、セイロスは監視の兵をつけて、ジェラルトを警戒させます。

 また、ベレトが赤子なのに泣かないこと、心臓の音がしないことから、ジェラルトは急速に不信感を募らせていきました。

 大司教に恐怖を覚えた彼は、赤子のベレトを連れてガルグ・マクを脱出し、傭兵稼業で食いつなぐことになります。

ジェラルトの日記
・あいつの死がまだ現実のこととは思えない。
 子を産む際にあいつは命を落としたとレア様は言っていたが、本当にそうなのか?
 そして、あいつが自分の命と引き換えに生んだ赤子は、産声さえ上げようとしない。

・相変わらず、赤子は泣きも笑いもしない。
 レア様は心配ないと言っているが、泣かない赤子なんて普通じゃないだろう?
 こっそり医者に診せると、脈は正常だが心音が聞こえないなどとぬかしやがった!

・赤子を連れてここを出ようと思う。
 だが、赤子には教団の監視がついている。
 レア様が何を考えているのかわからない。
 あれだけ素晴らしい方だと思ったレア様が、今では恐ろしい。

・昨日の火災を利用して、赤子が死んだことにした。
 レア様は異様なまでに焦っている。だが、後戻りはできない。俺がこいつを連れ…。

 ベレトの心臓の音がしなかったのは、それが紋章石だったからですが、泣きも笑いもしなかったのも、内にいるソティスの影響だったようです。

ソティス
・…のう、おぬし。ジェラルトの日記は覚えておるか?
 おぬしは泣きも笑いもせぬ赤子じゃったと。
 それは、恐らくわしのせいよ。ほとんど眠りに近い状態だったのじゃろう。
 おぬしの中にあった、わしが作用してな。

 レアは、いったい如何にしたのか、おぬしの中にわしを存在させた。
 わしはずっとおぬしと共にあり、おぬしの中で力を取り戻していった。
 そう…女神、いや、神祖としての力をな。

 成長したベレトは、腕利きの傭兵として恐れられて、「灰色の悪魔」と呼ばれるようになります。

 ほとんど感情を見せず、表情を変えることなく、次々と敵を倒していく姿から、こうした二つ名が付いたようです。

 感情に乏しかったのは、やはり眠っていたソティスの影響でしょう。内なるソティスが目覚めるに連れて、ベレトは感情を取り戻していきます。

 物語の冒頭、ジェラルトとベレトの親子は、盗賊に追われる級長たちを助けた後、セイロス騎士団に連れられて、大修道院ガルグ・マクへ戻ることになります。

 1週目は何の疑いもなく見ていましたが、上記の事情を知ってしまうと、この時のジェラルトの心中は複雑に思えてきます。

 注
 この記事は個人の考察であり、任天堂及びインテリジェントシステムズ社の見解ではありません。
 内容の正確性を保証するものではなく、作品をより楽しむための娯楽的推測であることをご了承ください。

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コメント

  1. pornip より:

    That was amazing