万紫千紅考察 アガルタとコンロン (2)

アガルタとコンロン ブログ

ウロボロス計画

 万紫千紅においては、コンロンの縁者が重要な役割を果たします。

 救世主のイシュマールは、コンロンの里で製造された調停者です。神秘の花嫁アナトリアや、星(光の杭)を落としたトロイアも同様です。

 このコンロンは、元々はアガルタでありながら、組織を集団脱走して独自のコミュニティを築いており、古巣のアガルタとは敵対関係にあります。

 アナトリアのプロフィールを見ると、嫌いなものに「ヴリトラ」が挙げられています。アガルタの司令の名前です。

 アガルタを敵視するのは彼女だけでなく、他の多くのコンロン関係者もアガルタを恐れ、嫌悪しています。

 コンロンが、正しくは恒星間宇宙船18番艦ジョカが、アガルタと手を切った理由は、遥か昔に当時の人類が、神祖ソティスと抗争したことが原因でした。

 まず前提から説明しますと、当時の人類は、宇宙を調査したり、移住先を探すために、「蛇」と呼ばれる宇宙船を展開していました。

 ヴリトラが立案して、アガルタが実行した計画であり、「ウロボロス計画」と呼ばれたようです。

ウロボロス計画
・ヴリトラによって立案された後、「未知なる技術及び宇宙調和の為の大研究家連盟(※アガルタ)」によって承認され、人類共同の偉大な事業として実行された計画。
 その内容は、複数の恒星間宇宙船を同時に建造し、宇宙の各所に向かわせ、未知なる環境を観測、移住可能惑星の調査や移住などを行うためのもの。

 本計画のために規格が制定された恒星間宇宙船の共通の特徴として、タイタニス技術をその中核とする、自己修復、自己拡張機能を備えた船体、あらゆる質量を動力源に変換する高性能転換炉、グラン・メガリス級に準じる規模の量子演算装置を備える点などが挙げられる。

 また、それぞれに与えられた名称については、世界の各地にみられる神話に登場する蛇の名を与えられている点なども共通点の特徴であり、ウロボロス計画のために用意された船が共通して「蛇」と呼ばれるのは、これに由来する。

大厄災

 その計画の途上で、神祖ソティスとの抗争が勃発したようです。

 巨大な地震が大陸全体を襲い、それによって山脈に大規模な崩落が起きた時、地層から異様なる巨大生物の一部が露出しました。

 アガルタによれば、「超巨大脅威生物」と表現されていますが、これが神祖ソティスでした。

 ナバテアの民、すなわちダグザの地において「神」と呼ばれる者たちは、この超巨大脅威生物、すなわち神祖ソティスの眷属になります。

 人間の姿をしていますが、元々は竜族であり、アガルタに言わせれば、「神ならざるもの」や「獣」になります。

 作中において、ダグザ、ライラー、マーズなどは竜に顕現しますが、あれは元の姿に戻っているのです。

 ただ、人間の擬態が長くなり過ぎた者は、竜に顕現する能力を失うようです。

 たとえば、セテスと名乗るキッホルは、既に竜に顕現する能力を失っています。

 当時のアガルタは、この超巨大脅威生物、つまり神祖ソティスを敵とみなして、伝家の宝刀アルテミス(光の杭)で攻撃を仕掛けました。

 宇宙にある衛星から放つ、超重金属弾に重力を乗せた遠隔射撃です。

 アルテミスは確かに有効でしたが、結果的には完全な悪手になりました。

 それによって目覚めた神祖ソティスが、防衛本能によって動くものすべてを焼き払う惨事、いわゆる「大厄災」に繋がったからです。

ライブラリ情報

 少し長くなりますが、偉大なる石標(グラン・メガリス)のライブラリ情報を、資料として乗せておきます。

アルテミス
・アルテミス(※光の杭)とは、かつて打ち上げられた地上監視衛生のシリーズ名である。
 最終的に全16基が打ち上げられており、それぞれが対地同期軌道上から地上の各所を監視している。

 コンロンでは、第7地区の上空に位置する1基について制御を掌握することに成功している。

 アルテミスシリーズは全基、超重金属弾を軌道上から射出し、重力による加速によって巨大な破壊力を得る攻撃機能を備えている。
 大厄災の際に地表に表出した超巨大脅威生物(※神祖ソティス)に対し、これが実際に使用され、対象に対する物理攻撃の有効性を実証することとなった。

大厄災 (1)
・あとになって考えてみれば…あの悲劇(※大厄災)は、大陸全体を襲った例の超巨大地震によって引き起こされた、第9地区の山脈に発生した大規模な崩落の結果露出した地層の中から「それ(※神祖ソティス)」の一部分が発見されたときから…いや、それよりもずっと以前から始まっていたのだ。

大厄災 (2)
・「それ(※神祖ソティス)」は当初、何なのか誰にもわからなかった。
 建築物か生物か、そも、無機物か有機物か、なぜそこにあったかも、どの時代からあったものなのか何一つわからなかった。

 サンプルの分析を進めていく過程で、どうやら珪素を主成分とした生命体の一部ということが判明した。

 ヴリトラにより決定されたアルテミス(※光の杭)の「それ」に対する超重金属弾の攻撃は、結果から振り返る限り、完全な悪手だった。
 攻撃は対象を破壊するどころか、完全に目覚めさせてしまったのだ。

 そして、ついに起き上がったその全貌を見たとき、我々は絶望するしかなかったのだ。
 「それ」は生物というにはあまりにも巨大な…まるで何かの冗談を見ているような代物だった。
 どんな建物よりも、山よりも、いや、恒星間移民船であるウロボロス級よりも遥かに大きかった。

 攻撃によって目覚めてしまった「それ」は、我々を完全に敵として認識したようだった。
 それだけでは終わらなかった。世界中に点在する古代の遺跡の中から巨大な生物(※神祖の眷属)が起き上がり、飛翔したのだ。
 それらは伝説のドラゴンによく似た姿をしていた。

 彼らはまるで「それ」に呼ばれたかのように、一箇所に集結すると、我々に対する攻撃を開始したのだった。

 ヴリトラはそれらに対する攻撃を命令し、我々の持てるあらゆる兵器による攻撃が開始された。
 だが、彼らの足を止めることすら出来ていない。恐らくこれから数十日のうちに世界の大部分は焼き尽くされ、我々人類が地上に築き上げた文明は痕跡さえも失われる事となるのだ。

 多くの同志たちと共に避難した大規模地下構造EX-017(※賢人フェルミ、通称シャンバラ)の一角でこの報告を書き残しながら、私は問わずにはいられない。
 一体何故、このようなことになってしまったのか。
 「それ」は何だったのか、どこから来たのか、そしてヴリトラが何故あれほど素早い判断で攻撃を命じたのか…

幻の自爆攻撃

 神祖ソティスとの抗争に際して、アガルタの司令ヴリトラは、ウロボロス計画で宇宙に展開していた宇宙船に、なんと特攻(自爆攻撃)を命じます。

 人工知能の冷徹な計算によれば、恒星間宇宙船が3艦、特攻して神祖ソティスに突っ込めば、これを沈黙せしむるという結論だったようです。

 宇宙船ククルカンと、宇宙船レヴィアタンは、その命令通りに特攻自爆しました。

 神祖ソティスは手負いとなり、「その効果は絶大」だったと言われます。

 しかし、第3波を命じられた宇宙船ジョカは、これに従いませんでした。

 大気圏突入に失敗し、空中分解したかのように偽装して、クロノス砂漠に不時着したのです。

 ジョカに搭載された人工知能は、ヴリトラの命令より乗組員の命を優先しました。これは彼女に付与された疑似人格の影響でしょう。

 ここでもし、軍人の疑似人格が付与されていれば、ジョカは指示通りに特攻自爆したかもしれません。

 結果として、神祖ソティスを苦しめはしたものの、倒すには至らず、アガルタは敗北して地上を追われ、地下に逃げ込むことになりました。

 このため、アガルタは「戦犯」とも言えるジョカを憎むようになります。

ファビオ
・あの時、ヴリトラが発案したという艦の亜光速機関を用いた大質量の自爆攻撃。
 その効果は絶大で、あれ(※神祖ソティス)に対して唯一、有効な打撃を与えた攻撃手段だったと言われています。

 ヴリトラによる予行試算によれば、ククルカン、レヴィアタン、そしてジョカの3艦によって、対象を完全に沈黙させられるという結論が導き出されたとされています。

 ですが、結果的に、ジョカによる第3波の突撃は行われなかった。

 もしも予定通りの攻撃が行われていれば、我々の勝利に終わっていたかもしれません。
 ジョカは実際のところ、それだけの憎しみを持って、アガルタの中にも伝わっています。

ゼノン
・彼女(※ジョカ)はあの時、ヴリトラの命令よりも、船員たちの身の安全を優先させると決めた。

 命令に従って突入したように見せかけながら、空中で船体の大部分の構造を分離したのだ。
 大気圏突入に失敗し、空中分解したように偽装して、混乱の中で砂漠(※クロノス砂漠)に硬着陸を行うこととなった。
 (中略)

 我々はヴリトラに、我々の存在が知られることを何よりも恐れた。
 世界の混乱に乗じて、この大陸に現存しているすべての偉大なる石標たち(グラン・メガリセス)を再構築し掌握…
 我々の制御下に組み込み、ヴリトラから完全に切り離すことに成功した。

 そうして、我々はコンロンとして、誰の目からも隠れて棲むようになった。

集団脱走

 ジョカの判断は、その乗組員たちを救いましたが、一方でアガルタから集団脱走させることになりました。

 アガルタの報復を恐れたジョカ側は、偉大なる石標をハックして掌握し、ヴリトラの制御下から切り離して、消息を絶つことにしました。

 そして、乗組員たちはコンロンの里を築き、現在まで生き延びることになります。

 ジョカの船長だったゼノンは、コンロンの指導者として、3,000年超にわたり民を導きました。

 なお、白き卵という呼称は、高層ビルが破壊された様から来ています。

 その姿が「割れた卵」のようだとして、この不思議な名前がつきました。白はコンクリートの色でしょう。

 高層ビルという概念や技術が、まだダグザ大陸にはなかったのです。

コンロン
・コンロンとは、旧第7地区で大疫災の被害を免れ、現在も稼働し続けている偉大なる石標たち、及び蛇シリーズ第18番艦ジョカの頭脳であるジョウガによって構成される、独立性の高い回線の名称であり、そこに所属する集団の総称である。

 コンロンはヴリトラとの繋がりから隔絶された閉じた回線であり、完全な独立性を保つが、その代償として当然ながら外部通信網との情報を共有することが出来ない。
 従ってコンロンの持つ情報は、大疫災以後はそのほとんどが更新されていないものになっている。

 アガルタからすれば、ダグザ大陸の偉大なる石標が、ハックされてコントロールから外れたことになります。

 その異常を調査するために、フォドラ大陸から派遣された幹部が、ファビオ(アナカルシス)だったというわけです。

 こうした歴史的経緯があるため、ヴリトラに従うアガルタと、ヴリトラを離反したコンロンは、互いに反目していたのでした。

 本来であれば、深刻な対立になってもおかしくなかったのでしょうが、バロールという別の脅威が存在したことや、ファビオが機械に使役される日々に疲れを感じたことなどが重なり、作中ではむしろ共闘のような形になりました。

シンラを忘れないで

 最後に小ネタですが、アガルタ関係者と思われる意外な人物を挙げておきます。

 それはミトラス修道会の幹部・四方正門のシンラです。

 彼は大物感を漂わせる美男でしたが、いつの間にか死亡しており、第3部で冥界兵として召喚されていました。

 一切は謎に包まれていますが、その発言がどう見てもアガルタなのです。

シンラ
・私達こそが…この世界の真の所有者だ。
 あの大厄災さえ起こらなければ、我々が地上を明け渡すようなことは無かったのだ。

シンラ
・我々は、神を自称する獣(※竜族)や、その庇護に甘んじる者たちを地上の支配者とは認めない。

 彼の登場場所が、タルボス平原であることも興味深いところ。

 タルボス平原は、ダグザ大帝がイスカンダリア文明を滅ぼした場所とされています。

 この文明がアガルタと関係している可能性は高いですが、詳しいことはよく分かりません。

フォトナ
・タルボス平原じゃったか。
 ダグザ帝国の建国よりも古い時代に、この地には古代からの文明を継承するものたちが暮らしておった。
 …その名をイスカンダリアと称する勢力だった筈じゃ。

 彼らはその高い技術を活かし、この地に巨大な都市を築き…
 北ダグザの広域をその力でもって実効支配しておったのじゃ。
 そして、ダグザめがこの地を治めるためには、彼らは避けては通れぬ存在じゃった。

 ダグザは彼らに過去の知識の放棄を呼びかけたが、彼らの憎しみと反発は根強かった。
 両者はこのタルボス平原の地で激突し、ダグザの眷属がその戦いを制したのじゃ。

 注
 この記事は個人の考察であり、任天堂及びインテリジェントシステムズ社の見解ではありません。
 内容の正確性を保証するものではなく、作品をより楽しむための娯楽的推測であることをご了承ください。

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